アニメやライトノベルに良く有り得る展開を拒否した結果

@yakiichigo

第1話 はじまり?

――力が欲しいか

朝目覚めた時、その声が脳内に直接問い掛けてきた。

俺は刹那の間に思考した。これは一体なんだ。


よくあるアニメやライトノベルの始まりに似ているぞ。と、アニメやライトノベルの主人公なんかは、きっとここで力が欲しいと望むのだろう。

その主人公たちは、きっといじめに遭っていたり、突然車に轢かれそうになったり、家庭環境に問題があったり、様々な要因があって力を渇望するのであろう。


しかし、俺はいじめに遭っていないし、友達も数人程度ならいる。今は寝起きなので車に轢かれる訳もなく、そんな危険な体験をしたこともない。家庭環境もごく普通だ。だから俺は答えた。

「いらない」と。


そう答えるとゲームでは、謎の声が様々な話を始め、

最終的にはまた同じ問いをするのだろう。


しかし、俺に一度問い掛けてきたその声は、

そう答えるともう何も問い掛けて来ることは無かった。


今のは一体なんだったのだろう。本当に、俺に問い掛けてきたのか、空耳だったのか、俺の妄想だったのか、はたまた…

俺とどこかの主人公を間違えて問い掛けてきたのか。


その真相は神のみぞ知るのだろう、俺は思考するのがだるくなったので、ふと枕元に置いてある時計に目を向けた。

よく見るとまだ午前四時だ。俺は溜息をつき、また深い眠りについた。

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