ケイイチ・ザ・フール

 時雨沢恵一という方は有名過ぎて語るのも野暮言うものですが、この方と言えば?と聞いて最初に思い描くのは、近年再アニメ化された『キノの旅』やアニメ化もされた『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』という代表作ではなく『あとがき』だと思います。


 外国文学では前書きに感謝の言葉を、あとがきで作品についてを語る。

 日本だとあとがきに感謝の言葉と作品について語る。

 時雨沢恵一氏は前だとか後ろだとか関係なく、何かやって何かする。

 内容は真面目におふざけをしたり、全力でおふざけをしたり、死力を尽くしておふざけをしたり、この方の『あとがき』はぶっ飛んでいる。

 ちなみに私の時雨沢恵一作『あとがき』との出会いは中学生の頃、『キノの旅』を通してである。


 キノの旅が刊行されたのは私が小学生の頃。

 中学生になり友人に進められた時、いの一番に彼が言ったのは「あとがきが面白い!」だった。

 本編じゃなくてあとがき?

 懐疑的な眼差しで本編を読み終わった後、あとがきを読んで以来、私はこの方の『あとがき』を楽しみにするようになり、最新刊や最新作が出る度に「今回はどんな『あとがき」だろうか?」と思うようなった。

 

 そう何故か不思議なことに私の青春には『あとがき』と共にあるのだった。

 最近、ブラック企業からホワイト企業に転職して給与は下がったけど時間は増えたから、また『あとがき』を読む為に時雨沢恵一氏著の作品を買おうかと思案している今日この頃でした。

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