サッカーボール

風に揺れるブランコと

錆びが目立つジャングルジム

空気の抜けたサッカーボールがひとつ

風に吹かれて転がった

誰かに蹴られるわけでもなく

1人で転がった

雨が降って傘ひらき

人々が足早に帰る頃

そのサッカーボールは

雨にうたれていた

誰かが持って帰るわけでもなく

ただ雨にうたれた

傘を忘れた私は

何気なくそれを蹴飛ばした

空気のないボールは跳ねなかった

まるで楽しくないかのように

まるで1人がいいかのように


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