雨の日
「今日は1日晴れそうです」
なんて嘘をついたのは名も知らぬ人
止む気配のない雨と
走り出す人々
雨に打たれながらつく帰路
家はまだ遠くてあと三キロ
少し悲しくなって見つめる
ぶ厚い雲の先にある
そのさらに先にある
この濡れたアスファルト
見上げるものと
届かぬものと
見えぬものと
踏みしめるもの
私は歩く
この雨の中を
このアスファルトの上を
この世界の中を
遮断器で止まる足
ポケットで握る手
無意味に閉じる目
雨の音
風の音
木々の音
私は
観客はこの世界
静かに演奏が始まる...
どうやら私は家に着いてしまったらしい
演奏会はまた今度
その時まで待っていてくれ
世界よ
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