詩というかなんというか。

小川コウ

夏っすね。

夕方の6時

日が長くなって、忌まわしき太陽はなかなか眠ってはくれない。

俺の部屋は火にかけられた鉄の箱のようで

太陽の暑いハートをもろに受けている。

少しでもと玄関にチェーンロックをして

閉まらないようにペットボトルを噛ませて半開きにする。

そうすると多少部屋に風が通って涼しくなる。

多少。

うっすらと汗を浮かべた俺は

部屋で1人座っていた。

聞こえてくるのは時計の音と

外を走る電車と遮断機の音。

あと蝉。

たまに隣の部屋女の人の歌声。

ベランダ見れば鳥が1羽止まっている。

少し立ち上がって近づけば直ぐに飛んでいってしまった。

少し早すぎやしないかい。

ちょっとぐらい話して行こうよ。

そんなこと鳥はお構い無しに風を切って飛んで行った。

また私は椅子に座った。

聞こえてくるのは心臓の音と

少しの夏の音。




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