140字蟹37 8月15日
「礼を忘れるな」
なぜ?
「死ぬまで×え」
×いたくない。
「歯を食い縛れ」
歯が痛い。
平穏に暮らしたかったのにどうして。
「腑抜けが」
いつの間にか世界が、
「供出せよ」
押し入れの中で頭を抱える。助けは来ない。
だって皆××のために。高揚して。
乱暴に叩く音の後、ドアがどかりと破られた。
◆
「蟹ー」
「何ー?」
「変な夢見た」
「どんな?」
「供出せよって」
「何を?」
「何だろ、鍋とか猫とか?」
「何それ」
「わかんない、謎シチュ」
「蟹は?」
「いなかった…嫌だね家に怖い人が来るのは」
「大丈夫だよ、ここには誰も来ない」
「…そっか」
「アイス食べる?」
青空。蝉が鳴いていた。
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