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瓶の中にいた10匹程の蜂を防壁の中に放つと穴を閉じさせてルシウスは立ち上がる。
「さぁ馬の場所に戻ろう。
マンティコアを追いかけなくちゃ。」
「えっゴブリンはどうするんですか?」
「歩きながら説明するから大丈夫だよ。
ほら気付かれない内に行こう。」
ルシウスに急かされその場を離れる。
馬を繋いでいた木にリアムがロープを巻いていたらしくそのロープを辿りながら足早に進んでいく。
「あの蜂はね最近発見された新種の蜂なんだよ。
魔物の神経に針を刺して大量の卵を産み付け毒によって脳を破壊するんだ。」
「脳を破壊ですか?」
「そう。
脳を破壊された魔物には特徴があってね、体内に植え付けられた卵を守る為、寄生されてる事がバレない様に周りにいる同じ種族を殺しにかかる様になるんだよ。」
「…。」
話がかなり鬼畜な方向に向かっている気がする。
「1匹ならそのゴブリンだけが殺されて終わってしまうけれどそれがもし10匹なら?
さっき見た通り元々ゴブリンは好戦的で仲間割れもしやすい種族だ。
誰が敵なのか分からない状況になれば誰かれ構わず殺しにかかるだろうね。
多分戻って来る頃には最後の1匹になってくれてるんじゃないかな?」
「…なるほど。」
「私の新しいペット達のデビュー戦だから不謹慎だけど結果がちょっと楽しみだよ。」
照れた様にルシウスがはにかむ。
今の話のどこに照れる要素があったんだろう。
「あれ?
でも植え付けられた卵が大量に孵って大丈夫なんですか?」
「あぁ大丈夫。
あの蜂の卵が孵るのに1週間。
その後ゴブリンの臓器や肉を食べて食い破って羽化するまでに1ヵ月かかるからね。
戻って来て死骸を燃やせば卵が孵る心配はないよ。」
リアムの問いにニコニコとルシウスが答える。
ペット自慢をするかの如く少々得意気だが話の内容はかなりグロテスクだ。
「…あの蜂、最近のノアのお気に入りなんだぜ。」
レオンがヒソヒソとキャロルに話しかける。
「…かなり趣味がおかしいですね。」
「だろ?
多分マンティコアと戦ったらキャロも分かると思うけど俺多分ノアはドがつくタイプのサディストだと思うんだ。」
それか隠れサイコパスとレオンが続けるとルシウスが振り返った。
「…へえ?
レオンは私の事そんな風に思ってたんだ。
悲しいね。」
「いっいや嘘嘘。
冗談だって。
だからその笑顔やめろって。
な?」
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