嘘か真か2
「私はね、自分の今の立場などどうでもいいのだよ。雅楽様がいればそれでいい。近くでその存在を感じていられればそれでいいんだ…」
と一人で言うブルート。
この言動から察するに、本当に慧架のことを崇拝…?しているのがわかった。
「こうやっていつもは遠くにいた雅楽様を近くで見れたことに対しては皿木に感謝している。そう感謝はしている、だけだ。私が忠誠を誓っているのは雅楽様のみだからね」
「聞きたいことがあるんだが…」
「なんだい?」
「お前が忠誠を誓っているのは『雅楽さま』なのか?慧架自身ではなく」
「…どういうことだ?」
「さっきのゲーム…クイズでお前言ってただろ?今は仮の方だがお前が問いてるのは本来の方ってさ。雅楽様自体に忠誠を誓っているのならあんなに慧架に執着する必要はねえだろ?」
俺がブルートにそう聞くとブルートは「ああ、そういうことか…」と小さくつぶやく。
「あなた意外と鋭いですね。痛いとこを突かれました…心身ともに」
「下らねぇこと言ってんじゃねえよ」
「つれない…。そうですよ、私は雅楽様…ではなく今あの方は御神楽慧架となのっているんですね…。私は慧架様に執着している。今仮として勤めているが楽様も確かに美しい。…だが、慧架様にはかなわない」
「その言い方、まるで慧架が以前は別の名前を持っていたとでもいうような言い方だな」
「おっと、私としたことが口を滑らせましたね…。無駄なおしゃべりはここまでとしましょう…。約束を果たさない限りは慧架様を私のそばに置くことはできませんからね…」
とブルートは深呼吸をする。
そして真剣な表情をし、俺に襲い掛かる。
俺はぎりぎりのところでかわすがさっきとは比べ物にならない速さだ…!
「まだこんなにすばしっこく動ける体力があったのかよ…!」
「私も必死なのでね…!願っていた事が叶いそうだから」
「へぇ…、意外と熱いじゃねえか」
「おや、まさか私を気に入りました?…キモチワルイですね」
「お前にゃ言われたくねえよ!ってか気に入ってもねえし!一歩間違えりゃ犯罪者だろうが、この変態吸血鬼野郎」
「はっはっは…!言いますねえこの野蛮単細胞トカゲ」
「誰がトカゲだ!俺はドラゴンだ!」
「野蛮で単細胞なところは認めるんですね」
「それも認めてねえよ!」
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