思ったまま書く思い出の感覚

よく学校を休んで住宅街を歩きますと

平日の昼間の果実の寂しい香りに酔ひました

しとどに豊かな日光がふりそそぎ

眉はやはり熱を感じるわけですが

そんなことでそこばくの時間が過ぎ

いよいよ夕空に紫になった雲など眺むると

私の自意識は滑空して

多情を見晴るかし

なにがさて並べられた街並みの壮観に

陶然とするのです

紛うことなく現世

後ろを見て何食わぬ顔の柱などに

啖呵を切って

挙句にまた喪心の身になって

路である路を蹌踉するのだ

(雨上がりなど殊に良い)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る