世界詩箱
戸 琴子
疲れ——宇宙観
上昇する
息も絶え絶えの部屋のなかでガスごと早送りされる時間に
窓の外は
ほんのごく
床に石ころが置いてあるけれど
その隣にはほこりが浮かんでいて
ぐあんぐあんとかかる重力に
溶けそうになってしまう
壁一面の本棚にもたれる私は
ああ なんて無力な
ああ
正面の窓の外ばかりを見ている
景色は
それだけ見てると洗われるのだ
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