名前はソロ-母親に創作活動を全否定されたので犬を連れて山に籠ってたら、彼女まで来たので仕方ないからキャッキャッウフフしておきます🐾-

第10話！？Cルート1:トゥルーエンド

「ああいうことはしたらダメだよ？」

「だって」

　主人はクミを叱りつけていた。

　私を助けるなら他の手を考えるべきだったと。

　私も何か弁明を考えてみたが、うまく言葉は見つからなかった。

　聞こえる聞こえないの問題じゃない。

　考えなしに出歩いた私も悪いのだ。

　この辺りには密猟者がいると聞いていたのにだ。

　主に犬以外の毛皮を狙うものが多いが、稀にその流れ弾に当たって亡くなる犬もいると聞いていた。

　特に山の中は無法地帯で結構危ないらしい。

　では尚のことなぜクミはここへ来れた？

　益々怪しいではないか。

　取材班は仕事だし、このことを知っている可能性があるが一般人のクミは？

_やはり黒幕が。

　母親か？

　先にも言った通り、エデューソン家はなかなかの血統書付きだ。

　クミのような一般人にはまずお目にかかれない。

　母親の知り合いでもない限りは。

　しかし、それならこの縁はなかったことにしなければならず、主人ほどの人ならばそろそろそれもわかっているはずだ。

「わかったよ」

　主人は覚悟を決めたように息を吐くと、

「別れよう。ボクはソロを蔑ろにするような人とは一緒になれない」

　主人！何もそこまで！たしかにクミは時々おかしいこともするし、状況考えない時だってあった。

　でもだからって、、！

　クミの気持ちを聞いただろ！

「あぁキャンキャンうっさいなぁ」

　犬なんてエルリック捕まえるためのエサじゃん。

　何、、だと？

　ではブリーダーというのは、

「それはやってた」

　声が聴こえるというのも、

「ホント。だから煩くてさ。

小声でずっと喋ってるでしょ？」

　あぁまぁ。

「それを利用してエルリックを捕まえろってウチのお父さん経由で伝わってきたんだよ」

　キミのお母さんから。

「やっぱりか」

　ウソ？気づいてたの？

　そんで対策しなかったの？

　バカじゃない！？

「キミに見覚えがあったんだよ。

昔親戚のウチで会った人だって」

　対策するにしても今じゃないし、また少し様子を見てみようと思ってた。

　だからボクはいつも通り振る舞っていたんだ。

「したら私が失敗した？」

　うん。そうだね。

　おかげで早く決着が着きそうだよ。

「マリン」

　幼名まで！あなたはまさか、、

「マリィローズ・エンヴィだろ？」

　気づいてもらえないかまだ。

　あの時一回フラれてるんだけどな。

　キミはエンヴィ家の跡取りでありエデューソン家とは浅からぬ縁であった。

　だから結束を強めるためにも、政略結婚を図りエンヴィ家は成り上がるはずだった。

「でも失敗した。ボクは名誉には興味がない。それに何より女の子より犬の方が好きだ」

　残念だったね？

　そのあと主人はソロの勝ち！と私の前足を持ち上げた。

「それで？暴いてどうしようっての？」

　どうもしない。

　キミにはここから出ていってもらう。

　ソロと二人きりを邪魔しないでくれるかな？

「わかった」

　不服そうには言ったもののマリィは素直に屋敷から出ていった。