第516話
「それで、ファウシスの今はどうだ?」
「噂を流した。『戦争が大きくなる前に王都へ避難したほうがいい』と。動ける連中は王都へ向かった。魔物相手に無敵の冒険者も戦争では勝手が違うからな」
操り水をのんだ人たちの治療も兼ねてのこと。
ちなみにダンジョン
「操り水の効果が切れたことで正気に戻りつつある住人たちがすでに王都へと向かいだした。王都に連絡して治療院から職員を派遣してもらい、いやしの水を与えることになっている。治療師の判断によって、城門の外に新設された治療院で保護も可能らしい」
操り水は継続して飲まないと徐々に効果は薄れる。ただし、いやしの水でリセットしないと少量の操り水が呼び水となり簡単に操られてしまう。
「問題は見かけではわからないということか」
「と思うでしょ? ピピンの話では顔、特に目や額などの上部が赤く光るんだって」
操られているせいだろう。目や耳が『不都合になる情報をチェックしている』ようだ。それはファウシスでダイバも気付いた情報だ。
「実際にファウシスで操られている人たちと接触したが、目や耳の周辺に赤く光る線がはしる。俺たちもそれで相手が操られているか確認していた」
よく日本でロボットがピピピッと電子回路を光が走るシーンがでてから起動していた。ちょうどそんな感じに似ている。そのときに目がぼんやりしているのか脳が遮断されたのか『すんっ』と無表情になる。ただしそれは短時間、数秒の間だけだ。
宿に帰ってからダイバに「この世界の人ってロボット?
「お鼻を押したら押した人をコピーしたり、尻尾を引っ張ったら動きを停止したり〜」
「俺たち竜人には尻尾はないぞ」
《 鼻を押せー 》
《 せーのー 》
「うわっ!」
妖精たちに一斉に鼻を押されたダイバはバランスを崩して後ろにひっくり返った。妖精たちはダイバに遊んでもらいつつ、共存に向けたルールを教わっている。そんな妖精たちも戦争を前にダンジョン
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。