第388話
お兄ちゃん、
『ブラコン妹と相思相愛じゃないか』
そういえばそんな
「お前ン家はおかしい!」
そう言われてお兄ちゃんは言い返した。
「仕方がないよ、僕たちは二人っきりの兄妹なんだから。僕はシスコンだからね。そして妹はブラコンなんだ。ブラコン妹と相思相愛じゃないか」
この頃、私は知らなかったんだ。私たち兄妹は……両親の子じゃなかったって。父は実父の弟で新婚だった。地震で両親を亡くした私たちを祖父母が引き取り、すでに子供ができないとわかっていた両親が引き取った。私はまだ一歳になっていなくて……。だから兄が私の面倒みてくれていた。幼いなりに『両親に嫌われたら追い出される』と思っていたらしい。そう話してくれたのは、私が成人してからだ。
だからといって、両親が私たちを嫌っていたわけではない。実の家族以上に仲が良く、周囲からも羨ましがられたくらいだ。兄も、小学校を卒業する頃には、自分たちは追い出されないと思えるようになったそうだ。それを聞いて父は男泣きした。「小学校生活を楽しく過ごさせてあげられなかった」と。
両親の愛情が深すぎて、兄も私が成人するまで口に出せなかったそうだ。
「仕方がないだろう? 俺にできなかった分をお前に向けてくるぞ」
「うっわー。めんどくさそー」
「面倒とは何だ! 父の深い愛だぞ」
「あなたのそういうところが面倒なのよ。ちょっとは自覚しなさい」
「いや、しかし……」
「二人にうっとうしい、って嫌われてもいいの?」
「それは嫌だ‼︎」
「じゃあ、我慢しなさい。ほら、みんなに酒を注いでちょうだい」
母の言葉に渋々従う父。そして『家族にかんぱ〜い』と言って笑い合った。
いま思い返すと、父は私たちと血が繋がっているけど、母は血の繋がらない子供を二人も引き取った。しかも
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