第148話
「よっと。ランチを持ち帰りで下さーい」
「お、エミリアちゃん。昼だけでいいかい?」
「夕方から屋台村でイベントだからね。とりあえず見て回るつもり。場合によってはダンジョンに入ってくるよ」
「先月のことがあるからなあ」
「・・・うん。あの後から、水の妖精は怖がって出て来られないからね」
毎月、屋台村では『お客様感謝デー』みたいなことをしています。定価の5割から無料サービスなど幅広く、その分、集客力も半端ないのですが・・・。スリや引ったくりなどの犯罪者も集まってきます。
そんな中、いつものように屋台を見てテイクアウトしたり妖精たちが気に入ったものを買っていた時に事件が起きました。『高さ15センチの長方形の卓上鏡』に妖精たちが姿を写して遊んでいたので、その鏡を購入した直後のことです。
次の店に行こうとした時、目の前に革袋が現れて、妖精を
濡れていない私を見て、私が
水の妖精が攫われたのは偶然です。犯人は『私の右肩に乗って飛び跳ねていたリリン』を狙ったのです。
「ダンジョン都市を混乱に陥れた」
「
「妖精に危害を加えた男は貴族相手の闇ブローカーだった」
「ダンジョン都市を『妖精の怒り』で滅ぼそうとした
そんな見出しがついた
だから、この都市に住む人で私が
「それでリリンちゃんはどうだ?狙われたのはあの子だろ?」
「あの子も、外ではあまり出ようとしない。家やダンジョンならピピンと一緒に出てくるけど、都市の中では呼んでも一度で出てこない」
だから、先月から店を開けていない。私の店はフレンド取引の設定をしていないため、入浴剤や香水、ポプリやハーバリウムが欲しければ、店に直接来るしかないのです。店を開けられない理由をこの都市の住人は知っているため、「いつ開けるんだ」とか「売ってくれ」とは言ってきません。他の町から来て「わざわざ来たのに!」と言われたら、私服守備隊が迷惑行為で取り押さえて守備隊へ引き渡してくれます。
それでも懲りずに店に来てしまうと・・・。
扉に触れた直後に光の妖精のイタズラで『真っ黒け』になります。静電気です。静電気ですが、甘く見てはいけません。体内に溜まった静電気は、何処にも逃げ出すことは出来ず。たまたま『狐の嫁入り』か何かで僅かに降った雨が掛かってしまい・・・。
大丈夫です。『生きています』から。
そうなりたくなければ、近付かなければいいだけです。
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