第36話
「もう。・・・ひどい目にあったわ」
「私は面白かった」
「私もー」
「「ねー」」と、エリーさんと顔を見合わせて笑うと、「もう。二人とも」とフィシスさんが苦笑しました。
「オレたちも楽しかったな」
「見てるだけだった私たちも、けっこう楽しめたわよね」
はい。皆さんも、止めずに笑い転げていましたね。
「エアちゃん。悪いけど下の方を調べられる?」
エリーさんの言葉に頷くと、
「33階の広場に人がいます。・・・5人?怪我人がいます」
「他に何か分かりますか?」
「えっと・・・」
「ああ。『33階以外』で、ということです」
「それでしたら・・・・・・他の階に救いを求めている人たちはいません」
「それでしたら、エアさんは先に降りて下さい。我々は一度地上に出てから降りていきます」
「そうね。魔物の襲撃で、一階の待機組は広場に残ったままだから」
「それに、倒した魔物はそのままにして来たから、早く回収しないと『新たな魔物』が現れるかも知れないわ」
皆さんは25階に戻り、そこの転移石で地上に戻ってから、33階に向かうそうです。その間に私がフロアの魔物を片付けてしまえば、簡単に降りていけるそうです。
ミノタウロス軍団の襲撃も、他の魔物がいなかったため、28階まで逃げることが出来たそうです。
「他の魔物を気にしなくて済んだから、少数ずつ倒しては下の階へと移動出来ました。もしエアさんがいなかったら、戦力を削ってフロアの魔物たちを片付けなければなりませんでした」
「それ以前に、あの大量の魔物たちをワンフロアで相手しなくてはならなかったでしょう」
皆さんの話では、数頭ずつ倒しながら降りてきたそうで、ワンフロアに四〜五頭の死体があるので、「上って、また降りてくる?そんなの疲れるだけだ。一度転移石で一階に戻って、それから降りればいい」とのことでした。
確かに階段を28階分上がって33階まで降りてくるより、降りるほうが楽ですよね。
転移石も『帰り専用』のため、「前回の続きから」とやり直すことは出来ないそうです。
「エアちゃん。くれぐれも注意してね」
「大丈夫ですよ。今日も途中でキャンプするので、急いで行く必要もないですし。ちゃんと宿屋には帰るのは明日になりますって伝えてあります」
そう言ったら、ミリィさんたちもキッカさんたち冒険者の皆さんも、大きなため息を吐いてしまいました。
「違う違う。エアさんは、この先も一人で進んで行くため、皆は心配しているんですよ」
「でも此処では、雷魔法さえ使えれば一瞬で終わりますよ?」
「あー。そう言えば、エアちゃんと一緒に降りた時に、フロアの魔物を一瞬で倒していたな」
「え?そうなの?」
「エリーと一緒にエアさんと行動を共にした時、濡れた床に小さな雷魔法を落として魔物を感電死させていましたよ。床は乾燥して歩きやすくなって、さすがだと思っていました。さらに、四階までは土魔法で道を作ってくれましたが、その道は乾燥が続くようにしてくれました」
キッカさんの言葉に、皆さんは「確かに乾燥していたから戦闘も楽だったな」と思い出したのか呟いています。
それより・・・気になっていることがあります。
「どうして、このようなダンジョンに強力な魔物が集団で現れたのですか?」
「え?どうしてって。このダンジョンには『魔物を寄せる機能』がついているからよ」
「たとえそうだとしても。このダンジョンの入り口って、魔物の集団が入るにはギリギリだと思いますし、あの大きな魔物が『入れる大きさではなかった』と思いますが」
そうです。此処の入り口はあのミノタウロスが
「ちょっと待って!私たちが魔物の集団に気付いたのは『魔物が二階に現れたから』よ!」
「・・・・・・これ、言うの止めようと思っていたんですけど」
そう言って、昨日私が見つけた宝箱を三つ取り出しました。私専用になった宝箱はテントの中なので、この場に出していません。
「これは?」
「不正に置かれた宝箱、です。エリーさんに『見つけたら回収して』と言われていました。昨日、鑑定のアミュレットを使って調べてみたら、この宝箱が『使用前』まで戻されたみたいなんですが・・・。最初に開いた時は『呪いが付与された武器』が出てきました」
私の言葉に驚いたエリーさんが目を丸くして、宝箱の一つを引っくり返しました。其処にはあるはずの紋章がありませんでした。
「確かに。これは『呪いが解除された宝箱』ね。鑑定では『元は呪われた宝箱。状態回復魔法で未使用まで戻っている』とあるわ」
「宝箱には使ってないんですが」
「収納ボックスに入れたままでも、状態回復されるのかしら?」
「エアちゃん。『呪いの武器』はどうなってるの?」
「・・・呪いが消えて、普通の武器になっています」
「・・・
「エアちゃん・・・?これと魔物のことと、繋がってるって言うの?それとも別に何か気になっていることがあるの?」
アンジーさんに聞かれて、俯いていた顔を上げると、広場にいる全員が真剣な表情を見せていました。私が『魔物の話』にあわせて『不正に置かれた宝箱』を出したことが繋がっていることに気付いているようです。
「・・・王都では、『呪いの装備』を身に着けた場合、何処で解呪してくれますか?」
「王都だったら『王都治療院』ね」
「では、解呪された後の装備品はどうなりますか?」
「それなら治療院が回収する・・・え?」
「呪われた装備品を回収して、また呪いを付与して、宝箱に仕込んで。そうまでしてるのは、解呪の際にボッタクリが出来るから?」
「そんな・・・ありえないわ」
フィシスさんが青褪めて震えています。キッカさんたち冒険者はお互いの顔を見合わせています。
「いや。フィシス。解呪は王都治療院がまとめて請け負っている。エアちゃんのうがった見方は正しいかも知れない」
「でも、エリー」
「私もエアちゃんの指摘が正しいと思う」
「ちょっとミリィまで・・・!」
「フィシスさん。一階に残ってる人たちの中に『王都治療院』の人はいますか?」
「・・・王都治療院から来た人は、審神者以外誰も帰ってないわ。被害者は全員残ったから」
「では、その中で『魔物が現れる前に広場の外に出た人』がいないか確認して下さい。審神者がいれば一番良いでしょうけど」
「ちょっと待って!あの中に『魔物を放った人がいる』ってこと?!」
「偶然が重なれば、それはすでに『偶然とは言えない』のです。・・・それを『故意』と言うのです」
フィシスさんは信じて・・・いえ。『信じたい』のでしょう。ですが、フィシスさん以外は全員疑っているようです。
何より『入り口から入れない魔物は何処から現れたのか』。
その答えは、『王都治療院』が知っているでしょう。
「フィシス隊長。もしエアさんがいなかったら、私たちは全滅していた可能性があります。そんな状況で、治療院の連中が現れて「今なら助けることが出来る」と言われて法外な金額を提示されたとしても、私たちは飛びついていたでしょう」
「フィシスさん。冷静に考えてみて下さい。何処から魔物が現れたのか。それも『ダンジョンの入り口からは決して入れない魔物』が。そして『呪われた宝箱』の存在。33階にいる人たちは、呪われていることに気付かず身に着けた冒険者ではないでしょうか?そして・・・。この騒動で『誰が一番得をする』のか」
私が一つ指摘する度に指を一本ずつ立てていくと、フィシスさんの表情が少しずつ固くなっていきました。
「フィシスさん。真実から目を背けていても、被害者が・・・『犠牲者』が、これからも増えるだけです」
「フィシス。信じたいのは良く分かる。だから審神者に真偽を確かめてもらおう」
「でも・・・審神者はエアちゃんのこと・・・」
「私なら大丈夫です。王都を離れる予定があるから、何かあれば前倒しにするだけです。それに、私にかまっているヒマは無いのではないでしょうか?」
「エアちゃん?どういうこと?」
シシィさんの質問に答えようとしたら、フィシスさんに両肩を掴まれて「なんでエアちゃんが『聖女様』のことを知ってるの!」と叫ばれました。フィシスさんがキッカさんたちに両腕を掴まれると同時に、私はミリィさんに引き離されて守るように抱きしめられました。
「フィシス。敵認定」
「ミリィ、落ち着いて。エアちゃん。大丈夫?何処か痛いところある?」
「大丈夫です。・・・びっくりしただけです」
「フィシス隊長!『聖女様』ってどういうことですか!」
「もしかして、聖女様が召喚されたの?!」
はい。此処にいます。
・・・なんて言えません。
フィシスさんは、20人近い皆さんから一斉に口々に質問されてパニックを起こしています。
「ほら。ちょっとみんな落ち着いて。フィシス。貴女もちゃんと『聖女様のこと』をみんなに説明して頂戴」
シシィさんに止められて、皆さんは黙りました。フィシスさんは困惑した表情で私を見ています。
「フィシスさん。私が言ったのは、昨日から続いている『大地の迷宮』と『水の迷宮』で起きた事件でたくさんの人たちが取り調べを受けるから、それに立ち会うために私にかまっている余裕がないって意味です。それと、これから治療院の人たちも追加で調べてもらうのですよね?それで忙しくなるから、私のことは『保留』になると思います。・・・人の迷惑を顧みないで、夜間に宿に突撃してくるような非常識な人だったら困りますけど。ところで『聖女様のこと』って何ですか?」
フィシスさんは私の言葉にハッとして「あ・・・ああ。そういうことだったのね」と呟いて納得したみたいです。ですが、広場にいる私とフィシスさん以外は納得していません。皆さんの視線が集まってしまい、少し居心地悪そうに目を泳がせています。
「聖女様のことなんだけど・・・。私もシェリアから簡単にしか聞いてないの。昨日の夕方、王都中の人たちの前に『光の聖女様』が現れたそうなの。ただ、それ以上のことは言えないから、王都に帰ってから話してくれるって。王都の外にいる私も聖女様のお姿を見たのか?って確認のメールだったわ」
「俺たち、見てないよな」
「そいつは王都だけか?」
「それってどういうこと?王城で『お披露目』をした訳ではないってこと?」
「こんな洞窟の中でも見たか聞いてきたってことは、映像・・・?」
「でも、聖女様を召喚する前に『お触れ』が出されるはずよね」
「いったい、どうなっているの?」
「それは何とも・・・。シェリアの様子から、他の町や村には聞きづらい内容だったみたい。もし見ていれば、ギルドの支部から問い合わせが来るだろうって」
そりゃあそうですね。「聖女様が現れた」と言ってもシルエットだけで、生身の姿を見せた訳ではないのですから。ただ、『お城の一部の人には分かる』姿ですが。
それもひとりは亡くなって、ひとりは城から追い出しています。そして、彼女の独白から、現れたのは『亡くなった聖女』のほうです。
フィシスさんは「本当にそれ以上は分からないの。本当よ」と繰り返しています。気の毒なのでフォローしましょうか。
「そうだったのですか。今朝、宿の皆さんと話した時、何時もならお客さんの声が聞こえる時間なのに静かだったから不思議に思ったのですが。まさか「今日はお客さんがいないのですか?」なんて失礼なこと聞けませんし。もしかすると、『聖女様』の件とは別に外出禁止令でも出ている可能性がありますね。此処の被害者さんたちを人目から隠すために」
「ああ。確かにそれはありますね。出発予定まであと一時間あります。一度で全員は帰られないので三回に分かれますが。第一陣には軽傷の人を乗せて、治療院の方々には第二陣と第三陣に分かれてもらいましょう。そして、第一陣に同行する隊長たちには、審神者へ『呪いの宝箱』と『魔物の件』を説明してもらい、あとから戻る治療師たちを調べてくれるように頼みましょう」
キッカさんの言葉に「だったら、33階の人たちを救うのに動いたほうが良くありませんか?」と聞くと「ああ。そうだわ!」とアンジーさんとシシィさんが立ち上がりました。
「エアちゃん。私たちは補助魔法だけで魔物にトドメを刺していないから、一緒に33階まで行くわ」
「他の皆は魔物の後片付けと、広場に残っている人たちの方をお願い。それとミリィ。フィシスは敵じゃないから、いまは噛み付くのは禁止。その代わりに、治療師たちを見張ってて。これ以上、エアちゃんの邪魔をさせないように」
「分かった。先にエアちゃんの邪魔をした治療師たちを潰す」
「ミリィ隊長、潰すのはあとからです。まずは審神者に引き渡し、罪を洗いざらい白状させてからです。それで、もの足りなかったらフィシス隊長に噛み付いて下さい」
「よし!」
「ちょっと待ってミリィ!「よし!」じゃないから!」
「フィシスはさっきエアちゃんを襲った。だからフィシスは敵」
「ちょっとキッカ!ミリィを煽らないで!エアちゃんも、笑ってないで助けて!」
「ダメ。エアちゃんが許しても私が許さない」
「エアちゃん。フィシスのことは許さなくていいよ。面白くなりそうだから」
「ちょっとアンジー!」
「仕方がないでしょ。エアちゃんに、球体に入れられて吹き飛ばされても懲りないんだから」
「だからって『面白くなりそう』はないでしょ」
「・・・面白く?」
「ちょっっ!エアちゃん・・・って。きゃあー!」
フィシスさんの腰にツタを巻いて、
「フィシスさん。その魔法は30分で解けます。それまでに一階へ戻っていないと、ミリィさんのターゲットにされますよ」
「は、早く一階へ戻りましょ。って、ミリィが紐を持つの?」
「フィシスだけでは動けないでしょ」
「別に何処かで置き去りにしてもいいなら構わんが」
「きゃー!止めて!それだけは止めて!」
賑やかなフィシスさんを揶揄いながら、ミリィさんたちは広場から上の階へ上がって行きました。
アンジーさんとシシィさんが33階の冒険者を保護するため、他の人たちは階段を上がって魔物の死骸を片付けて行くそうです。
「さあ。私たちも行きましょ」
私たちは、冒険者さん五人も一緒に下の階へ降りて行きます。冒険者さんたちが一緒なのは、保護対象者が五人いるので、弱っていたら背負うためだそうです。
「エアちゃんは33階の広場には寄らずに降りてね」
「状態回復は掛けなくて大丈夫ですか?」
「エアさん。状態回復なら自分が使えます」
「回復薬も大量に持っています」
冒険者さんたちは、保護対象者を運ぶためだけでなく、回復要員でもありました。
「さっきの泡はなんですか?」
「水魔法です」
「だから浮かせられたのですね。あれ?その前の『ボール』は?」
「
「ほう。同じ『膜』を作っても、属性によって様々なんですね」
「そうですね。水魔法は『シャボン玉』で、無属性魔法は『ボール』ってところでしょうか」
「坂道の上に『ボール』を置いて転がすと、面白くなりそうねー」
「そうじゃなくても、ボールに入れて『みんなで遊ぶ』のも楽しいわねー」
シシィさんとアンジーさんが顔を見合わせて笑っています。その様子を見た冒険者さんたちが「あーあ。これは『尋問』に使われるな」と表情が固まっています。
「まあ。失礼ね」
「楽しく遊びましょうってだけよ」
「楽しいのは隊長たちだけでしょう」
「あら。『犯罪者が』楽しんでは尋問にならないわ」
「そうよ。『犯罪者で』楽しまなきゃ」
「今回の『しかえし』に、フィシスさんが一番張り切りそうな気がするのは私だけでしょうか?」
「あら。私も同じことを考えていたわよ」
「たぶん、『元・守備隊への再教育』がまだだから、彼らにも使われるでしょうね」
「うわー!やめて下さいよ!」
「無理でしょ。あんだけフィシス相手で遊んだんだから」
「げぇー!」と騒ぐ冒険者さんは、フィシスさんの元隊員だったのでしょう。その側で「良かった。俺、フィシス隊長の下じゃなくて」と胸を撫で下ろす冒険者さんたち。
「あー。言っとくけど、やるのは『全員』ね」
アンジーさんのひと言で「マジか・・・」と、全員が落ち込んでしまいました。
「じゃあ、此処で止まって下さいね」
そう言うと、31階の床に残り二段のところで、床に
「すっごいわねー!!」
「あの『小さな球』がこんなに大きくなるなんて」
ふと気付くと、宿屋からメールが届いていました。
『お姉ちゃん。今日帰ってきたらダメだよ。変な人が来たの。お姉ちゃんが『聖女じゃないか』って。黒髪の女性を『中央守備隊』に集めて拷問するって。お姉ちゃんが出掛けてるって聞いたら、帰ってきたら連れてって取り調べるって言ってるよ』
あーあ。誰だ?バカなこと言ってるヤツは。何考えてるんだ?聖女を取り調べるなんて・・・。聖女って『王様より偉い』んだよね?そんな人を拷問する?処罰モンじゃないか。まだ『黒髪の女性』が集められているってどういうこと?それとも審神者が『私を調べたい』とでもいうの?
「アンジーさん。シシィさん。ちょっと良いですか?」
31階の様子に驚いて見ているアンジーさんたちに声をかけると、「なに?どうしたの?」と聞かれました。私の様子に、冒険者の皆さんも心配そうな表情です。
「マーレンくんからメールが届きました」
そう前置きしてから、メールの内容をそのまま伝えました。そうしたら、全員が「何考えているんだ!」と怒り出しました。やはり『聖女様かも知れない人を取り調べたり拷問するなんて!』とのことです。
「もし『聖女様』がいた場合、取り調べや拷問をしたら、『無礼を働いた』との理由から国ひとつ消えませんか?」
「『国ひとつ』ならまだ軽い処罰だわ。『世界が消滅』する可能性の方が高いわよ。『聖女様』はこの世界では『神と同等』だもの。中央守備隊はそんな方になにするつもりなのよ!もし聖女様が市井に
「聖女様をこの世界に招いた以上、誰も聖女様の行動を邪魔したり制限してはダメなのよ。女神様が聖女様の自由を認めているのだから」
「マーレンくんの話だと、今日は帰らない方がいいって。・・・もし、明日も続くなら、王都に帰らず別のダンジョンに入ってきます。荷物は全部テント内にありますから、宿に残していません。食材も宿にはプレゼントで送れます」
私の言葉に、アンジーさんとシシィさんが顔を見合わせています。冒険者の皆さんも、「ヤバくないか?」と話しています。
「あの・・・。こんなこと言ってはいけないかもしれませんが・・・。まずは33階の人たちを先に助けませんか?それで、フィシスさんたちと相談してもらえますか?いま王都がどうなっているか分かりませんし、『守備隊』のことはきっとフィシスさんたちの方が調べやすいでしょう?その上で、明日、私が王都に戻っても大丈夫か。違うダンジョンに潜るか、予定を早めて、近くの町や村へ向かった方が良いか。・・・決めてもらえますか?」
私の言葉に全員が頷いてくれました。此処で悩んでいても何の解決になりませんからね。
31階の魔物たちを『収納』して、『土の道』を作りました。
「そんなに時間を掛けないけど、一時間もあれば大丈夫だわ」
「それでは、一時間後に『元通り』になるようにしますね」
「まあったくさー。もしエアさんが『聖女様』だったとして、これだけ『人々のため』にしてくれているんだから『放っとけ』って思うよな」
「そうそう。『聖女様』じゃなくても、どれだけの事件に気付いて、どれだけの人を助けて、どれだけ王都の危機を防いでくれていると思ってるんだよ」
「中央守備隊に連れてって、尋問に拷問?ミリィ隊長に報告して、中央守備隊を壊滅してもらおうか」
「そこにフィシス隊長も混ぜようぜ」
「どうせなら『ボールで急襲』するか?」
「守備隊の連中をボールに閉じ込めて『遊ぶ』か?」
冒険者さんたちの言葉に、シシィさんとアンジーさんが頷いています。私としては放っておいてほしいですけどね。
32階、33階も魔法で魔物を仕留めて、土の道を作っていきました。
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