異世界諸国漫遊記

研究資料21頁目 狼鳥竜について

【名前】

　ヴィオニトニクス

【種族】

　獣脚種（じゅうきゃくしゅ）

　狼鳥竜（ろうちょうりゅう）と呼ばれてはいるが、鳥竜種（ちょうりゅうしゅ）ではなく獣脚種である

　竜と付いているが竜種（りゅうしゅ）とは認定されておらず、あくまで獣種（じゅうしゅ）のくくりに含まれる

【別名】

　狼鳥竜

【生息地】

　ある程度の安定した気温さえあればどこでも適応出来る

　寒冷地などの寒さには弱い模様

【大きさ】

　頭胴長（とうどうちょう）は三～四ファルト程、尻尾を足して六ファルト前後

【生態・特徴】

　数体から十数体の群れで行動する小型肉食怪物（モンスター）

　オオカミのように群れで襲い掛かって一体を分断させ、一斉に飛び掛かる知恵も連携（れんけい）もある

　動きが速く、別々の方向から攻撃を仕掛けてくるので、単独もしくは少人数では対処が追い付かないこともある

　噛（か）み付き、前足の爪による引（ひ）っ掻（か）き、尻尾の振り回し、その脚力（きゃくりょく）から生まれる跳躍力（ちょうやくりょく）からの飛び掛かりといった攻撃をしてくる

　群れを統率（とうそつ）している個体を見極め、仕留めることで群れは撤退（てったい）する

　統率者を見た目で見つけることは難しいが、見分けることは難しくない。襲撃してきた時に、必ず二番目に攻撃を仕掛けてくるのが統率者だからだ。何故二番目に攻撃してくるのかは不明だが、冒険者の経験からの仮説として、一番目に下っ端に攻撃をさせてからの成功を見て、自身が美味（おい）しい所を持って行く為であるとされている

　意外と甘い物好き

　リュヌフィラムやハチミツを狙って他の生物と対立する姿が目撃されている

　寒さに弱いとされているので、凍結魔法、氷魔法、温度魔法などで範囲攻撃をすると一網打尽（いちもうだじん）に出来る

　また、脅威（きょうい）なのは高い統率力と機動力から繰り出される攻撃力なので、拘束魔法や土魔法、風魔法などで機動力を奪（うば）ってしまえば、防御力は低いので魔法を織（お）り交（ま）ぜて戦えば、対処は難しくない

　しかし、夜間の奇襲なども得意なので油断は出来ない。奇襲でも攻撃の順番は変わらないので、二番目に襲い来る個体を返り討ちにすることが出来れば撤退に追い込めるので、慌てず冷静に対応しよう

【素材】

　爪や牙は武器や採取（さいしゅ）用ナイフに加工出来る。矢尻（やじり）として使われることもある

　骨は、防具の素材、主に留（と）め具などに用（もち）いられるが、強度はそれなりなので新米冒険者や銅ランク冒険者用の革製防具などの素材となることが多い