好きなんだったら姉じゃ無くても愛せますよね?(300PV超)

龍大悠月

第1話出会いと言う名の序章

俺は神崎真、基本的どこにでもいる普通の高校1年生だ。

趣味は甘いもの巡り

特技はビデオゲーム

しかし、俺の説明なんてどうでもよかろう。


俺は今、二羽甲葉という美少女を追っていた。


別にストーカーじゃないですよ?ストーカーはダメ絶対。俺はただ彼女のロッカーがどこかを確認していただけなのだ。だから俺はストーカーじゃない。Do you understand?


この行動にも意味がある、それは入学当時の話だ。


その日は俺の通う白別高校の入学式だった。

俺自身、特に意味も無く受験して合格したのでただただめんどくさいと思っていた。

この高校は時間の削減の為、入学式の後にクラブ紹介があるのだ。


「サッカー部、楽しいので初心者の方も見に来て下さいね〜」


スポーツはもうしないと決めた為、芸術部のどこかに入ろうとしていた所に彼女は現れた。

急に場の空気が切り替わる、それは静寂とも緊張とも言いづらい物で、雑談をしていた女子達や居眠りをしていた男子、ここを包む空気でさえ、小刻みに震えているようだった。


すると、軽快な音楽が流れてきたと思うと複数名の女子がステージに上がってくる。


正直うげぇ、と思ってしまった。念の為学校から配布された冊子を見てみる。

やはり、バスケ部の紹介だった。バスケにはいい思い出がないな…と思っていたその時


「皆さん!私達は女子バスケ部です」


透き通ったシルクのような声、その声が俺の耳を通過し、鼓膜を激しく振動させた。


思わず顔を上げてしまった。一気に体の体温が上がり、心拍数が上昇する。


なんだこれ、ムッチャ可愛い!


一目惚れだった、もし、恋を告げるキューピッドが存在するなら俺は今頃全身矢が刺さりまくっているだろう。

その後の話など耳に入っても脳が認識しなかった。それほど俺の心は揺さぶられたのだ。


あの日から俺は事あれば、彼女、二羽甲葉という少女を意識していた。

女装してバスケ部に入ろうといった気持ち悪い妄想までした。

何いってんだろ俺……。


せめて友達から始めようときっかけ作りに頭をフル回転させ、考えに考え抜いた。

そして結果は手紙ということにした。だから別にストーカーじゃないですよ皆さん。スマホ下ろして?通報しないで?


6月が始まり、湿気を含んだ蒸し暑い風が頬になびく、手紙は書いた、てるてる坊主も吊るした、手も洗った、念の為体も洗った。

あとは彼女のロッカーに手紙を入れるだけである。

誰も人がいない事を確認し、震える手を抑えながらしっかりと投函する。

ここからが本当の戦いだ。俺は両手で頬を叩いた。

クソ痛い……




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