第29話 タマ子同行決意
「お父様、私もコントラタック隊とこの国の街や村を見たいのですが…」
タマ子は国王ルーカスに申し出た。
「…うむ」
「コントラタック隊は男性ばかりなのですよ?それに宿泊しながらの移動になりますわ。大丈夫ですか?」
母王妃デイジーが心配しそう言った。
「カヤと一緒に行く事をお許し下さい。是非この機会に国民や街や村の状況を把握させて下さい。寝る場所なんて気にしません」
「ハリーやセオもいる事だし…頼んでおこう。それと皆馬での移動となる。馬車を用意しよう」
「お父様ありがとうございます」
「ハリー様も行ってしまわれたら私も寂しいわ。私も行かせて下さい!」
妹のフローレンスが懇願した。
「フローレンス、タマ子はゆくゆく女王になる身。その上での視察を考えてこその同行なんだぞ。遊びでは無い!」
ルーカスはフローレンスに厳しく注意した。
タマ子の部屋では旅立ちの準備をカヤと共にしていた。
「荷物は最小限にしましょう。ドレスも必要ないわ」
「はい、分かりました」
そこにフローレンスがやって来た。
「お姉様はずるいわ。ハリー様とずっと一緒なんですもの…」
「視察ですよ。それに国民を安心させるのが私の1番の目的です」
「本当にそうなのですか?お姉様もハリー様と一緒にいたいのではありませんか?」
「お口が過ぎますよ!」
カヤが制した。
「私…ハリー様にお手紙を差し上げるわ。そうすればずっと交換出来て寂しくありませんね!お姉様も返事を書いて下さるようお願いしてくださいね!」
そう言うと手紙を書きに急いで出て行った。どこまでも自分本位のフローレンスであった。
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