第23話 淡い気持ち

 タマ子は戦士の訓練所にやって来た。皆激しく剣を振るっている。カカシのような藁で出来た人間もどきに剣を叩き付ける者もいた。

 タマ子はなぜか胸踊る。そんな様子に気づいた1人の青年が近付いて来た。


「もしかしてタマ子王女様でしょうか?」


「はい、そうですよ」


「やけに熱心にご覧になられてましたね!好きなんですか?」


「どうかしら…わからないけど楽しいです」


 そこに2人に気づいたハリーがやって来た。


「タマ子王女様ご機嫌よう!」


「ハリー!お久しぶりです!」


「お知り合いです?」


 青年は2人の会話を聞いて不思議そうに聞いた。


「お友達になってもらったのよ!」


 タマ子はハリーを見て嬉しそうに答えた。


「彼はアヴァといいまして14歳ですが、なかなかの腕っぷしですよ」


 ハリーは誇らしげに言った。


「どうして女の人は戦士になれないの?」


「あぁ、そうですね。体力の問題や危険な行為ですからね!間違ってもタマ子王女様は戦士になりたいとは言わないで下さいよ!」


 ハリーはそう言って笑った。


「興味はあるけどやっぱり怖いわ。でももっと大きくなったら分からないわ」


「それは困りましたね!」


 ハリーはとても楽しそうに会話を楽しんだ。タマ子もハリーといると楽しい気分になった。それがなぜかはまだタマ子には分からなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る