第112話 「111話」

……リタさんの笑顔がどこか生暖かい。悲しみ。


……とりあえず部屋を見よう。

家を買わないことには何も始まらんのだっ!


んじゃ、玄関はいってすぐの部屋に行きますかね。てか玄関広いな、おい。


「この部屋むっちゃ広い……」


部屋もちょう広い。

てか広すぎる……10人ぐらいが余裕で寛げるぐらい広い。

ここまで広いとなんか不安になるぞ。 え、こんな広い部屋使って良いんですか!? 怒られるんじゃ……みたいな。


「暖炉もいい感じニャ。 もうここでいいニャー」


「んだねえ。 まあ、一応残りの部屋も見ようか?」


あー、そっか暖炉あるってことはあれか、ここがメインの部屋か。

まあ、そりゃ広い訳だ。


タマさんは暖炉見て満足そうにしている。ていうか暖炉しか見てねえです。

暖炉のまわりを図ってうんうん頷いてますね。たぶん後でソファーか何か置く気なんじゃないかなー?暖炉の前にソファー置いて良いものなのだろうか、と疑問はあるけど気にしない。


とりあえず暖炉はよし、それにこの部屋も広すぎるっちゃ広すぎるけどいずれ慣れるでしょ。 それに人を呼ぶのならこれぐらいの広さはあったほうが良い。


よっしゃ、次だ次。次の部屋いくぞー!



「どの部屋も結構な広さがあるね。 これならいっぱい遊びに来ても大丈夫そう」


「ニャ」


大体見て終わった。

どの部屋も広いね、一番狭い部屋でも8畳ぐらいあるんじゃないかな?

これなら遊びにきてそのままお泊りすることになっても大丈夫でしょう。


あと見てないのはー……お。


「あとはお風呂かな……タマさんそんな渋い顔しないの」


「故障してないかニャ」


この家お風呂もあるんだよね。

お風呂っていった瞬間タマさんがものすっごい渋い顔になったけど。


故障してないかなって……あきらめるんだタマさん。壊れてても直しますぞ?


さー、お風呂見ようお風呂。 タマさん抱えて突撃だー。




お風呂しゅごい。

ちょっとした銭湯なみに広いよここ。

なんか動物の口からお湯だばーって出るのあるじゃない? あれもついてるし、やばい。

湯船も広いし、それ以外も広い、これ5~6人一緒に入れちゃうんじゃない?


もう、一緒に入るしかないよね?


「お風呂すご……え、これ何人も入れちゃうよね? タマさん一緒にはいろ?」


「いやニャ」


タマさんつれない!

まあ、そのうちタイミングみて入ろうと思います。ふふふ。


さって、これで一通り見終わったかな?

リタさんに見終わったこと伝えないと。


「どうでしたか? ……タマさんの表情があれですが」


まだ渋い顔してるんかい。


「ここに決めました。 ギルド戻って支払いしちゃいます」


「……ニャ」


タマさんがちょっと変顔してるけど、ここに決定して支払いしちゃおう。

てか広い物件ってお風呂つきが多いからほかの選んでもお風呂あったと思うよ?


さー、ギルド戻って支払いしよっと。




「お、戻ったか」


ギルドに戻ってぱぱっと支払いすませましたよ。

んで予告通り酒飲んでるゴリさん達と合流です。


「あ、ゴリさん。 家買っちゃいましたよー!」


遊びに来てね!


「おう、よかった。 そんじゃ家具も揃えないといかん、ってことで早速買いに行くか?」


「はい! ……み、皆さん行くんです?」


「おう……ウッドが家買うって話したら皆食いついてきてな。 まあ、まだあまり酔ってないから大丈夫だろう」


……うん。

どうやらゴリさん以外も行くらしい。


見た感じちょっと赤くなってるだけ……だし? だ、大丈夫。

ちょっと目がトロンとしてるけど、きっと大丈夫……だといいなあ。


あ、ベルトラムさんは相変わらずほぼ素面なようで……あの人はなんかもう酒が強いとかそういうレベルじゃないね。



そんな訳で、ちょっと不安はあるけどゴリさん達と家具屋に向かうことにしたよ。


道案内はゴリさんがしてくれる、そのお店はゴリさん達いきつけの店らしく品ぞろえも良いのでお勧めとのこと。

てかゴリさん達家持ってるのかな? なんとなく宿暮らしなイメージ……というかあれか、ギルドに入り浸ってるイメージしかないけども。


「ベッド、ベッド……あった」


「ベッドそんなでかいのにするのか……? いや、何でもない」


まずはベッドを確認しに行くのです。

品ぞろえ良いと言うだけあって、様々なサイズのベッドが並んでるね。

もちろんキングサイズもあったよ! ゴリさんが怪訝な顔をした後すぐにあっ……て顔してた。


まったく、何を想像したんですかねえ……?


「テーブルは10人掛けと、6人掛けも買っておこうかな?」


お客さん来たら10人掛け使って、普段は6人掛け使おう。

ちょっと普段使いとしては大きいけど、料理いっぱい並べるだろうしたぶん問題ないはず。




「ねーねー、ウッド君。 これなんかどー? 良くない?」


「いえ、このサーバーの方が良いかと思いますよ?」


「それ全部酒関係じゃねーですか」


「お前ら、真面目に選んでやれ……」


家具をいろいろ見ていると、これが良いんじゃない?と持ってきてくれたり案内してくれたりするんだけど……全部酒関係ですやん。


なんだろう、最初はあんな頼もしい人達だったのに、今となっては……いや、なんでもないデス。



まあ、なんだかんだあったけどゴリさんのおかげで家具は一通りそろえることが出来た。

……ベッドを運び込むのに無茶苦茶苦労したのはご愛敬と言うことで。

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