「神に選ばれ、神になる」そんな俺のものがたり

竹華 彗美

第1話 修学旅行、異世界へ!


 俺はこの学校に通う高校二年生。今日から沖縄に三泊四日の修学旅行!

 新幹線に揺られ、飛行機に揺られ、バスに揺られ、一泊目の宿屋に着く。

 そして学年全員で夕食を食べていたその時だった。


"ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!"


 突然地面が左右に上下に揺れ出す。地震である。震度八はあるのではないかという大地震!そちらこちらでは悲鳴が聞こえ建物はミシミシと音を立てる。

 先生達は机の下に隠れろと指示するが誰も聞く耳を持たない。それ以前に食器や照明が割れる音で何も聞こえない。

 そして次の瞬間。


"ドドドドッッッ!バゴォーン!!!"


 視界は一瞬で暗くなりそのまま闇の中へと落ちていった。




ーーーーー


 次に目が覚めた時、俺は見たこともない場所にいた。それはホテルではない。

 暗い場所でランプが数十センチ間隔で置かれている。ランプだけの光が頼りである。

 そして周りには何人もの人が俺と同じように辺りをキョロキョロしているのが見える。

 そして突然一人が声を発するとそれが連鎖していき、ガヤガヤとそこら中で話し始める。


「ここホテルか?」

「あ、たかし。ここはどこだ?」

「しらねぇよ。だから聞いたんだろ?」

「ホテルにこんな場所あったっけ?」

「つうか、俺たち夕食の時間でホテルの食堂に学年全員であつまってたよな?」

「じゃあここ食堂?」

「そんなわけねぇだろ?もっと明るかったじゃん!よく思い出して……って、あれ?」

「どうしたんだよ?」

「お前、ホテルがどんなんだったかって覚えてる?」

「そりゃおめー、忘れるわけねぇじゃねぇか。」

「言ってみろよ。」

「フロントのねぇちゃんが超タイプだった。」

「お前なー!そういう意味じゃねぇよ!外見とか内装とか、覚えてるか?」

「外装?俺そんな細かいこと覚えてねぇよ。」

「はぁ〜。そういやーお前はそんなやつだったな。」

「じゃあたかしは覚えてんのか?」

「……うーん。それがさ、思い出せねぇんだよ。どうしてもなんていうか。ホテルに入った時の記憶も曖昧で……」

「そりゃー俺よりひでぇな。俺よりも記憶力がなくなってとは……。」

「お前は受付嬢がタイプだったことしか覚えてねーじゃねぇか。」

「まぁそうだけどよ!」


"パンパンパン!!"


 その時前から手を叩く音が聞こえた。


「皆さん!静かにしてください。今我々は大変緊急事態となっています!はいはい!皆さんちょっと静かにしてもらえますか?」


 学年主任の田村だ。生徒はその一声を聞くと一部を除き静かになる。


「まず点呼を取ります。各クラスの長は人数をしっかり数えて僕に連絡してください!」


 そう田村が言うとクラス長が人数を数え始める。うちの学年は三十人×十クラスの三百人となっていて、この修学旅行では引率で十人の各クラスの担任と観光会社の方三名、看護師二名の計三百十五人で来ている。

 点呼の時間はみんなまた少しガヤガヤと周りの人たちと話し始める。そしてまた田村が手を叩く。


「はいはい、皆さーん!静かにしてくださーい!点呼終わりました!全員無事なようです。なのでここから少しみんなにも聞きたいことがあるんだけどなるべく積極的に答えられる人は答えてください!」


 そう田村がいいまたガヤガヤと話し始める。


「ここはマイクがないので、静かに聞いて!」


 その一声がかかるとまた静かになる。


「まず最初にみんなの中で何か電子機器類を持っている人はいませんか?」


 みんなはその言葉を聞くと自分のポッケの中に手を入れ始める。


「たかし、あるか?」

「ねぇな。俺確か、ずっとポケットに入れといたはずなんだけど。」

「俺も。ずっと入れといたんだが。」


「だれかある人はいませんか?ほら!無かったら静かに〜!!!」


 全員静かになる。


「ないですかー!?」


 その時だった。六組の女子が一人立ち上がり言う。


「先生!あります!」

<hr>


「あ!ナイス!ちょっとパスワード開いてもらっていい?」


 そう田村が言えばヤジが飛んでくる。


「え?先生もしかして覗き?」

「えっえっ?マジで?うひゃひゃひゃひゃひゃ〜」

「そんなことじゃないよー!今はそういう言動は慎んでほしいかなー。緊急事態だからね〜!」


 その言葉を聞いた生徒はすぐに引っ込む。田村は女教師でガチ切れされるとだれにも手が追えないと言われる学校でも怖い先生ランキング一位で|鬼婆(おにばぁ)とも呼ばれる。

 その乾いた少し怒りを感じる声に全員ヒヤリとする。職員も例外ではない。


「でも先生、圏外になってます。」


 その言葉で田村は唸りながら一応のためその子の携帯から学校に電話をかけてみる。

 しかし"圏外"の表記がされているのなら当然電話などかかるはずもない。それどころか一回つけただけでバッテリー切れとなった。


「「どうなってるのよ。」」


 その言葉は二人でシンクロした。

 

 次にまた田村の声がかかる。


「はい皆さん!これからは私語を慎んでください!緊急事態です!先生達も誰一人この状況を把握できてません。こういう時こそ団体行動を厳守し、先生の言うことを聞いてください!わかりましたか?」


 田村は少し暗い表情で棒読みでその言葉を言う。それをガチギレの前兆だとみんな知っていて、全員口を閉じる。


「次の質問に行きます。覚えている人だけ手を挙げて発言しなさい。恥ずかしいとか言って言わないのは今後は無しで。」


 そう言うと八割方首を縦にふる。


「この中でホテルの食堂の内装とか、何をしていたのかを説明できる人、挙手!」


 俺と同じことを言い出す。他の生徒は何を言ってるか分からず、無言で考え出すが誰一人として出てこない。ただ食堂が"ココ"ではないことは確かなのに。


「わかった人!なんでもいいから!」


 少し怒りを感じさせる声で言う。だが誰一人として手を挙げない。


「じゃあ次行きます。ここがどこか、わかるひとはいますか?」


 この質問も誰も手を挙げない。しかしその時だった。俺の頭に女性の声が聞こえたのは。


『異世界の転送完了。ナンバー28、情報ダウンロード完了。これよりサービスを開始します。たかし様、ステータス画面を見てください。ステータス画面の開き方は右手人差し指を上から下に動かします。その時、頭の中で"ステータス"と唱えます。そうするとステータス画面が開かれます。』


「はぁ?」


 俺は小さな声でそう言う。そして周りを見てもみな真剣に先生の話を聞いているように見える。他の奴らにはこの音声は聞こえなかったのか?


 俺は疑問に思いながらも頭の中で聞こえた女性に従い、頭の中では"ステータス"と呟き、右手人差し指を上から下に振ってみる。


 すると何やらパネルのようなものが出てきて、文字が書いてあった。


[名前] 清水 隆志 しみずたかし

[性別] 男

[年齢] 十六歳

[種族] 人間族

[職業]  

[称号] 転生者 異世界の学生 

    神々から選ばれし者

    全能神のお墨付き

[レベル] 100

[体力] 100000/100000

[魔力] 400000/400000


[魔法] 

火 lv15

水 lv15

氷 lv15

雷 lv15

風 lv15

地 lv15

光 lv15

闇 lv15

精神 lv15

空間 lv15

創造 lv15

召喚 lv15

回復 lv15


[体術] lv20

[武術] lv20

[特性・耐性]

初級・中級魔法無効化

物理ダメージ八割軽減

魔法 消費魔力半分

物質透過

稀にダメージ吸収回復

視野拡大(360度3kmまで)

魔力感知(最大10km)

狙撃耐性

気圧耐性

水圧耐性

聴力上昇

火耐性

水耐性

光耐性

毒耐性

痺れ耐性

呪い耐性

精神魔法耐性

回復魔法回復力アップ

ステータス覗き見不可


[スキル]

無限アイテムボックス

レベル上昇補助

隠蔽

全武器使用可能

調査


 俺は自分のステータスを見た後しばらくの間一人呆然としていた。


 

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