第6話 彼の行動から見る統合失調症の症状
統合失調症は病気の経過には4ステージあると第2話でご紹介しましたが、実際私の勝手な視点からの考えですが、この4ステージ以外の時は薬が効いていると、生活に支障はなく周りから見ても精神病を伴っているようには見えないという点。
彼と出会った頃は、まさか彼が心に病を持った人とは、その容姿、発言、何を見ても疑う余地がありませんでした。
再発のサインとしていくつか例があげられている中で、行動的になる、仕事探しに出る、異性にアタックする。
きっとこの再発前に彼は私の勤める職場に採用され、そしてそこで私に出会い、連絡を取ってきたものかと思います。
彼との会話の中で、前職で納得の行かない事があり、同僚ともめたというのは聞いていました。その後も結局はシェフと喧嘩をして、突然お店を飛び出してしまった。そして次に見つけたレストランでもシェフの態度に納得がいかず、ぶつかったと言ってました。週4勤務だったのに、最後の方は休みがちにもなっていました。この時点ですでに症状は出ていたと思います。
彼の統合失調症は症状が出始めてからのステージ移行が早かったように感じます。
去年のクリスマス前後から前兆期、急性期があっという間に来ました。2月の頭に彼と外で会話した30分、彼は私といると落ち着く、安心すると言ってました。不安になるのが嫌だからきっと私の存在を求めてきたのかもしれません。
あくまでも私の推測ですが。
そして一気に妄想、幻覚を見出し、最後に会った4月の終わり頃には消耗期に突入したのでしょう。
もし彼が生きていてくれれば、この後回復期がやって来て、またどこかで暮らし
新しい職探しに出るのではと思います。そしてまたそこで新しい女性にアタックするのでしょう。
私が知る限りすでに3つの職を転々と変えた辺り、彼のステージ以降の移り変わりは早く感じます。
新しい場所で一からやり直し。
その為彼は前回いた場所から別の州に移り住みました。そして彼と最後に会った日には被害妄想に取り付かれ、自分は監視されている。狙われている、今すぐ引っ越さなければいけないから手伝って欲しいと言ってきました。
自分に与えられた時間で、自分の幸せを追求していたのだろう。
若い彼がなぜいつも時間がないというのか不思議で仕方なかった。
自分が自分らしくいれる。その時間が短いことも彼は知っていた。
病にコントロールされない時間が彼の唯一、自分を愛せる時間だったのかも知れない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます