第2章〜それぞれの思惑と願い
鉱山の街エルラスタ{済}
ここは、鉱山の街エルラスタ。
涼香たちはひたすら歩き、エルラスタの街に辿りついた。
そして、街の門から数十メートル手前の森に涼香たちはいた。
門の両側には兵士が2人たっている。
「さて、つきました。ですがあの兵士たちに、あなた達のことをなんと説明したら?」
「確かにそうだね。どうしたらいいのかな?」
「ん〜なんて説明したらいいんだろうな。……」
要たちはそう言いながらガディスをみた。
「おい!なぜ俺をみる?だが、確かに他国の者をすんなり入れるとも思えん。ましてや龍の里がブレグランに落とされたあとではよけい警戒しているはず」
ガディスは少し考えたあと、涼香たちに視線を向ける。
「それならば、クルテルが1人で街の中に向かい。領主に俺たちのことを話してきてはどうだ」
ガディスにそう言われクルテルは思考を巡らせた。
「そうですね。ガディス。あなたが言うように私が先に中にはいり、ユリナシア様に事情を話した方が早いかもしれませんね」
クルテルはそう言い涼香たちを見まわした。
「そういう事であれば……。そうですねぇ。話が大きくなるのは避けたいので、この近辺でかくれて待っていてください」
涼香たちが頷くとクルテルは、街の門の方に向かい兵士に言い門を開けてもらい中へとはいる。
そして涼香たちは、クルテルが街の中にはいったことを確認すると、近くの茂みに身をかくし話をしながら戻ってくるのを待った。
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場所は移り。ここは、エルラスタの街の領主ユリナシアの屋敷。
ユリナシアはシルヴァが寝ている部屋にいた。
「シルヴァ。お身体の調子はいかがですか?」
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この女性が領主ユリナシア=オルキデ。見た目は20代前半ぐらいなのだが、本当の年齢をしる者は誰もいない。
まばらに白くみえ隠れしているピンク色の髪は肩よりも長く、前髪を真ん中より左に分けていてアホ毛がある。
そして優しい顔立ちをしている。
普段は穏和な性格なのだが遊ぶことが好きで気分屋なため、その性格についていける者は数少ない。
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「ユリナシアか。ああ。前よりはいいようだが。まだ身体が思うように動かん」
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この男は、龍の里ドラフィルの領主シルヴァ=アルシェ。年齢は36歳。
銀色の髪は耳にかかる程度の長さで、右よりに跳ねている前髪が右目をかくし時おり手で払いのける。
顔は童顔で笑うとエクボができる。
性格は穏やかで素直すぎるためだまされ、周りにフォローされることが多い。
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「そうなのですね。早く治るといいですのに……。それではそろそろ、私は書斎の方にいきますね」
ユリナシアは、シルヴァに会釈をすると、寂しそうに部屋をあとにする。
「ふぅ。ゲラ。ユリナシアは、やっと行ってくれたようだな」
「そのようですね。ですが、いつもより少し寂しげでした」
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この女性はゲラ=ルスといい、クルテルと共にシルヴァに使える従者の1人だ。
紫色でミディアムヘアのくせ毛。前髪は目ぐらいまで長く分けめがない。
細身で少しきつい目をしている。
冷静で真面目な性格。常に論理的な思考で物事を捉え、彼女のだす答えは完璧にちかい。
だがその反面、予測不能なことには柔軟な対応が出来ない。
感情的に動く者との相性が悪く、任務を遂行中に喧嘩をし続行不能になったこともあるほどだ。
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「ああ、そうだな。今の私のこの身体では、構ってやることも出来ぬ。だがゲラ、そういうお前こそ寝たふりをしていたではないか?」
「そ、それは……。申し訳ありません。どうも、ユリナシア様が苦手で……」
「そうか……。それならば仕方ない。それにしてもクルテルはまだ戻って来ないようだな。なにごともなければ良いが」
「はい。ですが、クルテルのことですから。おお方その辺で、面白い物でもみつけ寄り道をしているだけかと」
そう話をしているとゲラは、肩を叩かれ後ろを振り返る。するとそこにはクルテルがいた。
「ゲラ。誰が寄り道をしているって?」
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クルテルは、シルヴァとゲラが話をしている間に、既に部屋に入っていたのだ。
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「クルテル。あーこれは……。まぁそれより。あ!そうそう。バルロス様とは会えたのですか?」
「そうだ!クルテル。どうだった。会えたのか?」
そう言われ慌ててクルテルは、シルヴァの方に顔を向けると一礼をする。
「あっ!シルヴァ様。起きていて大丈夫なのですか?クルテル。只今もどりました。それと、挨拶が遅れ申しわけありませんでした」
「ふむ。それは良いが。どうだったのだ?」
「はい。それなのですが……」
クルテルはバルロスと涼香が同化し龍化したことと、道中でなにがあったのか、そしてガディスのこともこと細やかに話した。
そして、シルヴァとゲラはその話を食い入るように聞いていた。
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