第8話怪しい場所発見・救出作戦

「ルーサー様、ハワードです。」

「ハワード様、お待ちしておりました。ルーサーです。」

「今よろしいでしょうか、ご相談したいことがありまして。」

「勿論です。」


「実は、使われていない井戸から教会への地下通路を発見しました。

それで、街の全体に魔力探査をかけたいのですが何か良い物ありませんか。」

「それなら、広域魔力探査はどうでしょうか。地下まで反応しますし、

この街全体と教会の分まで十分に探査できます。今転送します。」

「届きました。ありがとうございます。(早いな、準備していたのか)」

「また何かありましたらお知らせください。では。」


 アルフレッドは地図を準備し差し出した。

「凄いな、教会まで含むそうだ。」

「さすが、天才ページ様ですね。

そういえばパーティーでお嬢様を見つめておりましたよ。」

 微妙な顔をするハワード。

「複雑な気持ちだな。一応ページ家がレティシアに近づいた時のみ監視してくれ、

側にいない時は近寄るな。変な誤解は受けたくないからな。」


 広げた大きな地図の中央に魔力探査を置き魔力を込めると、魔力を発している場所が赤く光る。それをアルフレッドが書き込んでいく。

住民情報と合わせて、人数等おかしい所がないか探すと3か所程発見する。

宿屋と雑貨屋と食料品店だ。

 部屋の中で赤い光が動かずに1か所にまとまって光っている場所がある。

拘束されているようだ。犯罪なら向こうも魔道具を使っているだろう。


「教会や貴族の敷地ではないのが幸いだな。3か所の監視か・・・・・・。」

「宿屋クックは半年前に息子が継いでいます。両親は病気で死亡しました。

宿屋なら客だと思われ、犯罪の隠れ蓑にしやすいですね。


 雑貨屋と食料品店も1年ほど前に子供が継いでいますね。3人とも、同年代だったはずです。

 食料品店は火事で両親を失い家も建て替えています。

雑貨店は父親がいますが、病院に入院しているようです。

両方共、人が出入りしてもおかしくないですし、荷馬車も職業ですね。」


「共犯の可能性も考えて、一気に全員、周りにばれないように突入したいな。

人数が必要になってくるか。」

「近くで監視に使えそうな場所を、そうだな。

全部の方向を監視したいから1軒を3か所位で囲むように見張ってくれ。

見つからないことが優先だ。厳しい時は離れて出入口や家の周辺を見はれ。


 敵は魔道具を持っていると思って慎重に行動するんだ。


 それとは別に地下通路の出入り口を一度ふさいでおきたいな、

入口には見張りを付けて魔道具で拘束するか、いや誰かに任せた方が良いか。

どうせ騎士団に持っていく案件になりそうだしな。


 出口を塞いで近辺を護衛で見張って誰か来たら拘束しろ。

できれば生きていたほうが良いが判断は任せる。

魔法対策がいるな、防御に探査(小)魔道具も持って行かせろ。

 

 相手は今まで気付かせなかった者達だ、油断せずに行動しろ。」


 皆が準備に向かうのを見ながら、権力者を誰か加えた方が面倒が減ると思う。

色々対応でき、人望も評価も高い人物、丁度いい人物がこの件で動いている。


「入口は王弟殿下に連絡してお任せしよう。

後は突入の後方支援もお願いするか。この位なら喜んでやって下さるだろう。」


 前線の危険な所はバレット家がやるかわりに、

残りの面倒な所を王弟に押し付けることにしたハワード。


 王弟とは学生時代の頃からのお友達の為、互いに通信装置を持っている。

「王弟殿下、ハワードですが、よろしいでしょうか。」

「ハワードか、どうした。何かわかったか。

私の方は、貴族、婚約者候補関係、犯罪組織には今の所動きはないし、

特に怪しい行動もしていない状態だ。監視は続けているがな。

後、知っていると思うが家の者に街を探らせている。」


「私も今の所、貴族はこの件には関係なさそうな気がします。」

 今までに分かったことを、全部話すハワード。

「ただ、シーナの家族がいるかは分かりませんが。

井戸の入口と、部屋への突入の際の後方支援お願いしてもよろしいでしょうか。」

「勿論だ、むしろこのきな臭い動きへの対応に参加できてよかったよ。ミーナ嬢に感謝だな。」

「よろしくお願いします。」

 苦笑いで返事をしたハワードだった。

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