乙女ゲームの結末にはさせない

小梅カリカリ

第1話プロローグ

 郊外の家、仕事から帰ってきた女性。

 「今日も疲れたー。さてさて、楽しみにしていた新作の乙女ゲーム、徹夜でクリアできるかなー。明日から忙しいし、何とか今日中に最後まで見るんだー。」

最初はゲームの設定が流れるのね。世界観は大事よね。」


 ゲームの世界の設定と風景が流れてくるのを嬉しそうに見つめる女性。


 ムーン大陸にある5大国の1つ、リーバ王国。国王に統治され、王族・公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵・平民が暮らす国。

 

 魔法は王族と貴族のみが使用できるとされているが、平民にも魔法を使用できる人が少数いる為、その場合は先祖に王族か貴族の血が入っているとされ、子爵か男爵家の養子となることが決まっている。


 子爵・男爵・平民の希望者は6歳から12歳まで初等学校に通う。王族と他の貴族は、家庭教師がつけられる為、初等学校には通わず家庭での勉強となる。


 13歳になると王族・貴族・優秀な平民が中等学校へ、15歳で卒業し、その後、王宮・結婚・騎士団・魔法研究機関・家業を継ぐ者などに分かれている。


 現国王の子供は、王太子、第1王女、第2王女の3人。王太子の婚約者候補が3人選ばれている。王太子の婚約者は、王太子が学校卒業後に決定される。


「なるほど、中等学校から始まるのね。魔法に・・・・・・。

この婚約者候補と攻略対象者なら、隠しキャラは誰だろう・・・・・・。」

 ぶつぶつ呟きながら、凄い勢いでゲームを進めていく女性。バッドエンドを繰り返しついにクリア!!

「ギリギリ終わったー。急いで支度して会社に行かないと」

 徹夜をして出かける時間ぎりぎりまでゲームをしていた女性。

慌てて駅に向かって走っていく。そして・・・・・・。




 リーバ王国に生まれたレティシア・バレット公爵令嬢。

 5歳の誕生日の日、自分の世界が乙女ゲームとそっくりであることを知る。

 結末を見たレティシアは思う。どうやったら結末を変えられるのか・・・・・・。


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