第152話~冬の雨

冬の雨の冷たさに

心まで冷えきってしまう


あの日帰って来なかったあの人は空の上から見ているのだろうか?


冷たい雨に濡れる私を抱きしめたいと思ってくれるのだろうか?


何度も夢をみる

手を差し出しても届かない悲しい夢だ


雨の日の夢は

いつでもわたしの心を冷たくしていた


あなたもきっとわかっているはずだよね


そしてきっと苦しんだはずだよね


私は雨が嫌いなわけではないはずなんだ


だけど…あの日を思い出させる冬の雨は

子どもの私を甦らせる


そして泣かせるんだ


届かないあの温かな手を思い出すから


大好きだったあの温もりを思い出すから


大好きだった母さんを

思い出すから

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