第121話~前世

 遠い

 遠い

 遥か昔のこと


 前の世で生きていた時の

 記憶の中に生きているような

 感覚に囚われるとき


 心は激しく波打つ


 この嘆きがなんなのか

 分かるすべなどなくて


 心の中の闇に飲み込まれないように

 足掻くだけ


 人はみんな

 あの月のように

 誰にも見せない暗い面をもっている


 これは前世の悪しき記憶なのか


 わからないのに魂が泣いている


 わからないから魂が泣いている


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