後悔先に立たず

「よそ見とはずいぶんと余裕の様ね!ローラン!行け!私の可愛い子供達よ!」


 フロア中からゾンビが集まってくる。いけない、多勢に無勢だ。取り囲まれる。


 僕は女性を担ぎ、エスカレータで更に上階の駐車場エリアまでいく。そこで女性の腕に絡んだシュリンゲを取り外し、協力を要請した。


「で、でも私の”魔剣アンサラー“はあなたが捨てちゃったじゃない!どうすればイイのよ!」


 そうだった。


 仕方がないので予備のバットと十得ナイフを渡す。

 女性がオロオロしながらバットを構える。口調も男勝りから女の口調に戻っている。


 こちらが素の彼女か。頼りないが、いないよりはマシだろう。


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