ひょんなとこから四天王

「さあ、その女を渡してちょうだい。礼はたっぷり弾むわよ」

「クッ!殺せ!」


 警察官が言うなら引き渡そう。礼ということは何か報奨金が出るのだろう。やはり、この女性は犯罪者だったのだ。しかも指名手配が出回るくらい。危なく僕も犠牲者に名を連ねるところだった。


 しかし、やはり格好が気になる。どうにも腑に落ちないので、僕は引き渡す前に尋ねることにした。


 ──あなたは本当に警察官ですか──と。


「警察ぅう?何を言っているのかしら。私は四天王の一人ネビュロス。死霊術師ネクロマンサーのネビュロス様よ!人間の警察官風情な訳ないでしょぉ!」


 ただの女装趣味だった様だ。

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