女性の態度

 先ほどから女性が沈黙を守っている。どうしたのだろう。


 やはり先ほどの殺人が気になるのだろうか。


 目撃者である僕を背後から襲おうとしているかもしれない。僕は女性を先に行かせようとしたが、彼女は頑なに拒否した。何故だ?怪しい。


 婦人服売り場でゾンビの集団に襲われた。皆、手にタピオカジュースを持っている。でも、ジュースの量は減っていない。


 僕は遠慮せずにゾンビたちの頭を薙ぎ払っていく。ガツンガツンと鈍い音がフロアにこだまする。


 あらかた片付いた後、女性の顔色が悪いのが見て取れた。もしかすると、この僕の戦いぶりを見て、背後から襲っても勝てないと思ったのだろうか。


 だが、背後から刺されたら僕だって敵わない。


 やはり女性を前に行かせるべく先を促す。イヤイヤと首を振り、拒否された。なんだよ、その疑いの目は。別にその短いスカートを階段越しに覗く気はないぞ。命が惜しいんだ。

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