一方モラン商会は(サンドワーム編)
商品が飛ぶ。金が飛ぶ。そして支店が三つ出来る。
ここはモラン商会。新進気鋭の商会である。
元サイクズル商会、現モラン商会のエース、イタバッサ。彼はある程度抑圧されていない場合、過程と副会長が飛ぶ。
うっかり目を離した結果、モラン商会に1m級のサンドワームが大量に運び込まれた。
デザートワーム。砂漠地帯に住むグロテスクな太いミミズもどき。イタバッサの道を阻んでしまったばっかりに地元住民総動員で狩られて、イタバッサは対価としてその一部を入手するに至った。
その数日後、10m級の巨大サンドワームが街の前に運び込まれて大騒ぎとなり、モラン商会から歪んだ字で書かれた申請書の数々が警備官に渡され、モラン商会の倉庫がグロテスクミミズもどきで一杯になり、警備官が『何があったんだ⁉』と商会に乗り込み、乗り込んだ時の衝撃で書類の山が倒壊。大騒ぎになって錯乱した副会長が薬物使用と監禁被害である可能性を警備官が考えてしまったせいで泥沼化。業務が滞る結果となり、副会長が絶望。という悲劇に至った。
ちなみに、一件の犯人はこれ以上サンドワームを起点に大事業を起こされかねないという危機感を抱いた副会長の手で観光地調査という名目で休暇を取らせたばかりで不在だった。
徹底的に観光資源くらいしか無い様な場所へ行く様に任命した。
副会長の結論としては『イタバッサという男はよく切れる刃物の様な男』だ。
サイクズル商会で抑圧されていながらも会長として一部から認識されていた。あんな劣悪状況でありながら……だ。
それが解放されたらこの状況が起こるのは自明の理だった。
これがもし、外道に堕ちていたとしたら、自分で事業を起こして同じように暴れていたらと考えると震える。
半端な商会であれば振り回されていた。ここも会長が
「結局俺がキツイ事に変わりはない」
サンドワームという特異な素材が堂々とモラン商会に運び込まれて大騒ぎ。新人達が懸命に働いて店頭は元々盛況。盗賊からの奪還からの受け入れの件を知っている人々からは好意的な意見が増えている。
新人関連の福利厚生や急ぎの住居確保、その他そっち方面の書類仕事だらけで阿鼻叫喚だった時期に比べればまだ書類数はマシだが、サンドワームの件で厄介な出来事が増えた。
サンドワームの10m級はそう簡単に手に入るものではない。それを三匹堂々と店に搬入した結果、別の商会からちょっかいや業務提携、嫌がらせが増えた。
ちなみにその手の連中は看板娘のキリキに追い出された。
『梃子でも動かない』と騒いだ連中数人がお手玉の様に店の外に追い出された時は客から拍手が上がったという話だ。
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