41枚目 あるメモ—第6世界側から

この書付かきつけが誰かの目に触れる事を祈って書いている。


これから管理局による武力制圧が開始される事になってしまった。


その前に伯爵様について少しだけ記しておかなければならない。


伯爵様はこの第6世界をべる執政者にして同時に管理者でもある。その為ポータル・ロビーに直接張り紙を貼りに行くことが出来た。


それまでは張り紙にてこの世界の構築者を募り、かつその者を物語の主人公に据えて第6世界を管理してきたのだ。


それまで、というのはある人物が死ぬまで、である。


そう、近い世界では噂にもなったであろう、『花嫁ザ・ブライド』の死である。


伯爵は深く彼女を愛し、また彼女に愛された。このダークファンタジーの世界においても夜の闇に浮かぶ月の如く美しく、明けない夜にたおやかに舞う妖精の羽の如く儚い愛ではあったが、それ故に伯爵様はかの女性ひとに囚われてしまった。


伯爵様は彼女の生まれ変わりを探すため、各世界を手に入れたいのだ。


ああ、この経緯を、願わくば転移者方に伝えたい。


彼らならわかってくれるはずだ。


執事E

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