28枚目 ある会議の記録3


「なんということだ!」


(ざわざわ…)


「主戦力になるはずの世界が消えては…『チート』も吸収されてしまったか」


「それはあのカードの力ですか?」


「おお、良い質問だな、『神様候補』のお嬢さん」


「オイッ!またウチの時と態度が違うぞ!」


「(無視して)まさに第11世界のカード『混沌の世界』によるものだ」


「質問がある」


「はいっ!美しき黒の剣聖よ」


(ガタン!小声で、エリちゃん落ち着いて、イテッ…という声が入っている)


「そのカードとやらは我々が扱うには多大な影響を持つようだが、そのような危険なアイテムがなぜ敵の手に渡ったのだ?」


「ううむ、これまた手厳しいご質問ですな…実はあの世界のカードは異世界においてのみ効力を発揮致します。記念に現世に持って帰っても、なんの力も持ちませぬ。ただの記念品になるはずでした」


「帰還途中のスキを突かれたのだな」


「まったくもってその通り!」


「……」


「はい、話したそうな『スローライフ』さん!」


「……カラダ…どうなる…?」


「なるほど、現在の身体がレンタルの方もいれば、生身で来ている方もいる」


「局長、これを!」


「リストか。準備が良いな職員B。これによると、生身でこちらに来たのは『黒の剣聖』『白の剣聖』『スローライフ』しかしそれを補う為のスキルが付与されている。全くの生身は『おっ』さんですな」


「おっさん、生身か!?現世でもそのまんまかよ」


「うるさい『JK』。他の方々はレンタルの身体ですな。身体の保管場所は…」


「はいっ、ポータル・ロビーに面した『保管庫』であります!」


「うむ。で、そこの警備は大丈夫であろうな?職員C?」


「ハッ⁈…忘れておりましたー!」


「馬鹿者!直ぐに向かえ!」


つづく…

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る