26枚目 ある会議の記録1

ある会議の音声


「ちょっと待ってよ!それじゃウチらがそいつと戦えって言うの?」


「もちろん我々も参戦する。当たり前だが、こちらでも出来うる限りの準備はさせて頂く」


「はぁ?『カミサマ』とか『けんせー』とかならまだしも、ウチただの『じょしこーこーせー』なんですけど⁈」


「まあまあ、落ち着いてよエリちゃん…」


「うっさい!あんたなんか『おっさん』じゃん!ウチよりつかえねーじゃん⁈」


(書類をめくる音)


「…ちょっと待て。第98世界でのJK募集は『おとなしめのJK』ではなかったか?」


「はっ!募集に来てくれた現役リアルJKは彼女1人であります、局長!!」


「……いや、この場合返って心強いものがあるな」


「お褒めいただき光栄であります、局長!!」


「(ため息)…とにかく、このポータル・ロビーの張り紙を見る事が出来た以上、何らかの能力があると言う事だ」


「のうりょくぅ?」


「そう、文章を書く能力か、文章を読む能力だ。それが出来ればあやつとも戦えるはずだ」


「待て、それならば現世から応援を呼べば良かろう?」


「おお、これは第22世界の剣聖がた。来て頂き光栄でございます」


「オイこら!ウチらに対するのと態度が違うんじゃないの!?」


「(無視して)剣聖殿、申し訳ないが現在は現世第0世界からの移動を停止する為にロビーを封鎖しているのだ。…しかしお二人ともお美しい…。かたや咲き誇る牡丹の如き妙齢の黒の剣聖殿と、開きかけた白百合の如き年若い白の剣聖殿…。よもや白と黒の補佐役も皆女性という展開は意外でございましたぞ」


「オイ、お前の趣味にハマったからって、えこひいきすんなッ」


「(咳払い)ともかくこちらの戦力は多くはございません」


何故なぜだ?」


「現在稼働中の異世界の数は少ないのです。調整中か、転移者・転生者の募集中の為でございます」



録音は続く…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る