第20話 true rain

降り止まない雨が

纏わり付く汚れを流し

剥き出しになった傷痕に

鋭い刃を突き立てた


足下に溢れる深紅の血


露わになった白い素肌は

止め処なく濡れながら

現実が暴かれるのを見る


伴う痛みは誰のモノ?


その裸体に宿る熱量を

消しても消しても消えない炎を

流すほどに澄んでいく血を


誰も知らない真実は

雨だけが見ている

誰にも見せない本当の姿を

きっと雨だけは見ている

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る