裏切りの王都騎士 魔女の護衛と狼騎士外伝 王都編

幻想花

第1話 旅立ち

王都の騎士試験で合格したシンは田舎から王都に向かう

シンは浮かれていた、田舎から王都に引っ越した、アカーシャに会えるからである。


「アカーシャのやつ驚くだろうなぁ~」

荷馬車に揺られ、もう王都 目前


「にいちゃん、やけに嬉しそうだな?」


荷馬車を走らせる、オヤジも釣られてニコニコしている。


入隊募集試験に合格して、ついでに幼なじみの彼女に会えるから、なおさら嬉しいのだ

そのことを、荷馬車を走らせるオヤジに話すと


「なるほどなぁ~幸せ二倍ってか?しかし浮かれるなよ!あそこは厳しいと評判だからな」


キリっとオヤジの顔が真面目になり語る

そうなのだ最近はぐれ魔族が出没して騎士が減っていると噂なのだ!


「ありがとうございます!絶対に辞めたりしませんので、やっと掴んだチャンスなので、頑張ります」


そう、シンの村は貧困な村で人ひとりがやっと暮らしていける状態なのだ、シンは村をおこすために、

腕を磨きやっと掴んだ騎士入隊試験に合格したのだから


「着いたぜ、にいちゃん銅貨3枚でいい、本来なら

5枚貰うんだが。まけておいてやる!」


「オヤジさんありがとうございます!」


オヤジは日頃嬉しい話しを、あまり聞かないらしく

久しぶりにいい話を聞いたと、シンを見送った


門番が閉まってるので入隊合格通知書を門番に見せると、すんなりと入れてくれた


王都は活気があり見たことない露店がひっきりなしに並ぶ、アクセサリーの露店に寄り眺めてアカーシャのことを考える


「アカーシャに買っていってやるか!」


羽飾りのヘアピンを手に取り店員のお姉さんに渡し買う

「銅貨5枚だよ!ありがとうね」


受けとるとアカーシャの引っ越しした宿屋へ向かう


「確か青い屋根で赤い看板が目印だったな。あったあった!ここかぁ~」


立派な建物でシンは圧感される。ドアを開けると

酒場になっていた?

「宿屋と思ったら酒場?」


シンは店員に聞いて見るとアカーシャの親父さんが一階の酒場をやり、二階を奥さんが宿屋の経営をしてるそうだ。

店員に親父さんのところまで案内してもらい、

親父さんに会う


「親父さん、お久しぶりです!オレ騎士入隊試験に合格しました。アカーシャは今どこに?」


右手を出して握手を交わす。


「アカーシャは去年騎士入隊試験に合格して、連れてかれたよ!」


腕の立つ者は男、女関係なく合格らしい、親父さんの話では 腕を見込まれて小隊の隊長をしてるらしく

今日帰るとの事だった。

親父さんもニコニコしながら自慢する


「凄い、凄い!アカーシャのやつそんなに強くなってたのか!確かに稽古試合した時一度も勝てなかったからなぁ~」


明日は王都騎士の入隊式なので1日早めに来ていた

シンは二階の奥さんに挨拶して宿屋を借りる

「叔母さんお久しぶりです。アカーシャが騎士の小隊長してるって親父さん言われて、びっくりしましたよ!」

さっき親父さんが聞いた話を思い出して叔母さんに話しをする


「久しぶりだねぇシン、アカーシャはうちの宿屋を継いでくれると思ってたらまさかねぇ、まぁお陰でこっちも楽、出来てるんだけどねぇ」


引っ越ししたアカーシャの家族は最初小さな宿屋で

経営をしていたらしいがアカーシャが祭りの武闘会で優勝してこの、宿屋と酒場を同時に経営できるようになり、翌日に騎士入隊試験に合格した。


「はぐれ魔族が出没してるって言う噂は本当?」


シンは気になって叔母さんに聞いて見ると


「王都の先の未開拓地の方に出ると聞いてるねぇ」


そう王都の先は長い間、探索隊が出て戻って来ない

未開拓地、森で囲まれていて その先は迷いの森と言われているのだ。


「だから、まだ安心 宮廷魔術師の方が魔族が入り込めない二重の結界を施してるらしいから 絶対の安心があるの」


「そう、そう妹のアレッタにもあって行きなさい」

そうアカーシャには妹のアレッタがいる、彼女は

戦闘には向かず村では1番の家事自慢、料理を作る

事に関しては天才とまで言われた!


普通に同じ材料を使って作っても、アレッタの料理は何倍も美味しいのだ


「ただいま~母さん今日シンが来るって言ってたけど?どこにいるの。」


噂すれば、何とやら、アレッタが買出しから帰って来た。


「アレッタただいま。そうだアレッタに渡す物があった露店で安かったから買ってきた」


実はアレッタの分も買っておいた、厄除けのヘヤピン赤い盾のデザインだ。


よくお金が足りたなぁと思うだろうが実は旅の途中に野良の猪型のモンスターが暴れてみちを塞いでいたので退治してコアを抜き、傭兵ギルトで買い取ってもらい、お金に余裕があったのだ。


それから荷馬車に乗っけてもらい猪型モンスターを売った。


傭兵ギルトにはよくモンスターを狩り売りに行っていたから慣れているのだ。


「にいちゃん、よくコイツを狩れるなぁ、オレらは動きが速くて捕らえられないのに」


村に住んでる住人はコイツを狩ることが出来て一人前なのだ。


「あはは!こんなの簡単ですよ。真っ直ぐにしか突進して来ないから、足を狙えば簡単です。」


しかし、自分の下半身まで大きいのを狩るのは、普通じゃ無理だ。よほど眼が良く動きを知ってなければ。


「アカーシャはまだ帰って来ないんですか?」


アレッタと叔母さんと話していると、かなり疲れた格好でアカーシャが帰ってきた。


「ただいま。アレッタ、母さん それとシン」


息も絶え絶えで見てるのも辛い。


「早く、お風呂入ってきな!今日はシンが村から

ベリージャムを持って来てくれたから、ジャムアイスを作っておいたからね」


村でしか取れない。ベリー果実

村の特産品だ、叔母さんの作るベリーアイスは最高に美味しい

これだけは、アレッタもまだ勝てない。

こんな日がいつまでも、続けば良いなぁと考えていると1日があっというまに過ぎてゆく。


翌日の朝アカーシャとシンは同時に宿を出る。


「腕がおちてないか、確かめてやるシン覚悟しておけよ」


蒼い鎧が日光に当たってさまになっているアカーシャにシンは見惚れていた。


「アカーシャに渡す物があったんだ、羽飾りをモチーフにしたヘアピン、これはどんな攻撃も避けてくれるように、願いを込めたヘアピンなんだってさ」


店員のお姉さんに買う際に聴いた話しをした。

アカーシャは少し照れながら受け取る。


「ありがとう、これを貰った所で私は手加減しないからね!」


入隊式に間に合い、その後、戦闘模擬試験が行わらた。

実力のある者は小隊に入り、ない者は指導者から戦闘の手順を説明される。

オレはアカーシャの部隊に配属された。


「やはり、こうなったか!」


嬉しそうにアカーシャは小さくガッツポーズする。

すると、大隊長のフレデリックから各隊の隊長を呼び召集する

「我々は迷いの森に住むはぐれ魔族を討伐に向かう

迷いの森の手間に陣営を張っている。交代制で見張りをしている、これから大隊は朝から昼まで勤務となる」

と言うことは、小隊のオレ達は夜から朝までとなる


「アカーシャ小隊長、昼いちばんに来い!良いものを見させてやる」


フレデリック大隊長はそう言うと、迷いの森に向かった


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