吾輩はネコである。名前はちび太。

第一部 ワナビ作家の日常 with ちび太

第1話 吾輩はネコである。名前はちび太。

　吾輩はネコである。

　名前はちび太。

　名前の由来は、拾われた時にちびの仔猫だったからちび太である。

　既に１０歳となった今ではずいぶんと身体も大きくなって、名前に関しては思うところがなくもない。

　そんな吾輩はご主人様と二人でおんぼろアパートにて同居している。

　猫の額ほどの小さな自称「庭」なるスペースがついた一階の一室だ。

「ただいま～。ちび太、元気だったか～？」

　ふむ、ちょうどご主人様が帰ってきたようだ。

　吾輩は身体を起こすと、いつものようにとてとてと玄関まで迎えにいく。

　これは吾輩の夕方の日課なのだった。