第28話:チビコの魔界移住記~魔国が人間の村よりいいとこ過ぎて辛い~人物紹介編

 どうも、私はチビコです。

 パパとママと魔国に住んでます。

 ちなみに先日、パパのお兄ちゃんのロングマン伯父さんと、パパの弟のスリーマン叔父さんも復活させてもらってました。

 2人とも一度は村に帰ったのですが、すぐに戻ってきました。

 なんか、周りの人達の魔王様討伐に対するテンションの高さに着いていけなくて辛いと溢してました。

 今は魔国でパパと一緒に働いてます。


 それでは今日は魔王様の城の方々を紹介致します。


「やあチビコ殿、散歩でゴザルか?」


 この蜥蜴はリザードマンエンペラーの蛇吉さんという方です。

 なんか前はランスロットさんて名前だったそうです。

 ですが、チビコも蛇吉さんの方がしっくりきます。


「なっ、何でゴザルか?」


 私がジッと見つめると、慌ててます。

 結構気が小さいところもあって可愛いです。

 ちなみに魔王軍序列1位ということで、一番強い方らしいです。

 竜人になる事が出来るらしく、そうなると体がメッチャ固くなるらしいです。

 大きさも二回りくらい大きくなると言ってました。

 大きくなったモー太おじちゃんみたいになるのかな?

 さらに状態異常? とかっていうのも殆ど受け付けなくなるらしいです。

 あと空を飛んで口からビーム出すって魔王様が言ってました。

 ビームって何って聞いたら、魔王様の指から光が出て壁を溶かしました。

 恐ろしい攻撃です。

 その後めっちゃエリーさんに怒られてました。


「なんでもないよ!」

「いや待つでゴザル! その手のメモ帳はなんでゴザルか?」

「なんでもないって!」

「はっ! まさか閻魔帳? 魔王様に見せられるのでゴザルか?」


 えんまちょうというのが何か分かりませんが、どうでもいいので無視して次に行きます。


「おお、チビコ! 元気かモー」

「こんにちは、この間はベーコン有難うございました。美味しかったよー」

「それは良かった、また作ってやるモー」


 これはモー太おじさんです。

 凄く大きい牛の人です。

 よく、ミノタウロスと言われてますが、本当はベヒモスという種族らしくてメッチャ大きくなります。

 声もメッチャ大きくなります。

 チビります!

 でもチビコの前では大きくならないと約束してくれました。

 ちなみに前の名前はエドガーさんらしいです。

 チビコはそっちの方がカッコいいと思うのですが、モー太おじさんは今の名前が大好きみたいなので何も言いません。

 魔族って不思議です。


 ちなみに武器は斧ですが、大きくなると魔法で隕石を降らせたり、大爆発を起こしたりするらしいです。

 でも、吠えるだけで大体の敵は倒れると笑ってました。

 笑いごとじゃありません!

 あの日はママに滅茶苦茶怒られました!

 魔王様の言葉を借りると、モー太おじさんマジふざくんな!です。


「なっ? なんだモー?」


 ジッと見つめていると、モー太おじさんが焦ります。

 なんだか面白くなってきました。

 本当はおじさんみたいな喋り方らしいのですが、魔王様の命令で語尾にモーと付けているのがとっても可愛いです。


「なんでもなーい! またねモー太おじさん!」

「うむ、まただモー」


 ちなみに、モー太おじさんはこの城の中で二番目に大好きな魔族さんです。


「あっ、チビコだ? 今日は一人?」


 おっと、今度はナーギーのウロ子さんです。


「こんにちわ!」

「こんにちわ……」


 この人はいっつもぶっきらぼうです。

 でも魔王様を見る目は時折冷たく、でも普段はとても暖かい事をチビコは知ってます。

 ちなみに、この人も変身します。

 実は蛇では無く龍族でアジ・ダハーカさんとかいうのに近いらしいです。

 良くわかりません。

 翼が生えて、空も飛ぶらしいです。


「どうした?」


 おっと、ジッと見つめて居たら不思議がられました。


「いっつも綺麗だなって思って」


 本心です。

 この人めっちゃ綺麗なんです。

 金髪碧眼で背中まで伸びた髪が輝いて見えます。

 羨ましいです……

 下半身は……

 でもウェストはくびれてて、胸は結構あります。

 ズルいです!

 手もスラッと長いし、肌はきめ細かくてシミも黒子も無いし。

 しかも510歳!

 どこかの絵画から切り取って来たような、完璧な美を体現した女性です。


「そんな事言っても、何も出ない……でも撫でてあげる」


 そういってウロ子さんが撫でてくれる。

 その指もしなやかで、羨ましいです。

 ちなみに、とても優しく触れてくれるのでくすぐったくて気持ちいいです。


「おや、チビコ殿ですか? 一人でどうされました?」


 今度はヤギのおじさんです。

 子供はこの人の名前を呼んではいけないらしいです。

 どんな呪いなのでしょうか?

 それも魔王様が付けたらしいです。

 残酷な事をします。


 ちなみに、魔王軍序列2位の実力と言われてます。

 万年2位とも言われてます。

 よく分かりません。

 でもそれはそれで凄い事だと思います。


 ヤギのおじさんも変身するらしいです。

 でも誰も見た事ないそうです。

 大きくはならないらしいので安心しました。

 でも重力とかいうのを操るようになるらしいです……

 不思議ですね。

 ダークマターがなんちゃらと良く分からない説明を1時間もされてうんざりしました。

 誰にって?

 ヤギのおじさん本人にです。


「どうかしましたか?」

「なんでもなーい! バイバーイ!」

「ほっほ、不思議な子ですね? はいさようなら」


 でも普段はとっても紳士な方です。


「おや? チビコじゃないか? 魔王様に会いにゆかれるのかえ?」


 ウッ……ちょっと見た目が苦手ですが、この方はムカ娘さんです。

 とっても乙女な方ですし、上品で優しいのですが下半身が百足です。


 顔も鼻から上は虫のような眼がついてて、額から長い触覚が生えてます。

 頬の横に鋏みたいな顎もあるし、これが肉食系女子ってやつですね!


 ただ、人の部分の肌はめっちゃ綺麗です。

 手が6本ありますが全部スラッとしてて、白魚のような指といいズルいです。

 チビコの腕と2本交換して欲しいです。

 鼻も高くて筋が通ってるし、顎の間にある口は紅をさした訳でも無いのに、艶やかなピンク色のプックリした可愛らしい唇をしてます。

 しかも近づくと凄く良い匂いがします。

 チビコ完敗です!


「どうかしたかえ?」

「ムカ娘さんってなんでそんなに肌綺麗なの? あとスタイルも良いし」

「スタイルは……食っても太らぬからのお……肌は手入れを怠っておらぬからだと思うぞよ? いつ魔王様にお会いしても良いように、常に女を意識しておるのも大きいかもの? 妾もまだまだ乙女ゆえ、そこは特に気を遣って居るぞえ」


 魔王様の話をするときのムカ娘さんめっちゃ可愛いんです。

 なんか見ててホッコリするというか……

 魔王様と是非くっついて欲しいとチビコは思ってます。

 ライバル多しですが……


「じゃあまたねー! バイバイ」

「うむ、また会おうぞ」


 ムカ娘さんと別れてから暫くすると、ここで一番好きな人が来ました。


「あらチビコちゃんじゃない? こんにちわ!」

「スッピンさんこんにちわ!」


 アルファブラッドさん事、スッピンさんです!

 元々人間だったらしいのですが、前の魔王に殺されてミイラにされたらしいです。

 でも、出で立ちといい立居振る舞いといい、まさにレディです!

 ある意味、その体はスラリとしていて究極の芸術品とも言えるでしょう

 チビコは死んだらスッピンさんみたいになりたいです。

 でも前にその話したら……


「私はチビコちゃんが死んだら悲しいわよ? そんなに生き急がないでゆっくり成長しなさい……それを見るのも楽しみなのだから、私たちの楽しみを奪わないでね」


 って言ってくれました。

 もう、なんていうか完璧なんです。

 まさに聖女様! いや女神様かと思えるくらいに優しくて、綺麗で、上品で……


「そんなに見つめられると照れてしまいます。今日はどうしたの?」

「えっと、ちょっと魔王様のとこまで散歩!えへへ」


 スッピンさんに見つめられると、私の方が照れちゃいます。

 ちなみに魔王様の話では、絶対に怒らせてはいけない幹部の一人らしいです。

 怒れる様は呪われた戦乙女のようだとおっしゃられてました。

 ちなみに生前はヒルドさんという名前だったそうです。

 純白の鎧を身に纏い、死霊を操って戦う姿は想像できませんが、私にしたら大好きなお姉さんです。


「そう、私も丁度魔王様に報告があるので、一緒にいきましょう?」


 そう言ってすっと手を出してくれる。

 私はその手を繋いで、スッピンさんの方をみてにんまりする。


「私、スッピンさんが一番好き!」

「あらあら、今日のチビコちゃんはどうしちゃったのかしらね? でも私もチビコちゃんが一番好きよ」


 そう言ってスッピンさんが私の頭をナデナデしてくれる。

 それから一緒に手を繋いで魔王様の所に向かった。

 ここに来て良かった。

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