第24話 植物人間

私には幸いテレパシーが使えた。


植物人間と言えど、私には意識があった。瞬きは何とか出来た。そして、私には何よりもテレパシーが使えた。生きていることを母に伝えると飛び上がって喜んでいた。しかし、病室のやけに白い天井ばかりで退屈であった。体は相変わらず動かないし出来る事といったらテレパシーで会話をすること。

私はいつかテレパシーを遮断して考え事をするのが多くなった。


ある日、私は宙に浮いて自分を眺めていた。突然の事で狼狽したがすぐに、自分は死んだのだと分かった。母が隣で私の顔を覗き込む。悪い事をした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る