生きるのが辛くなったら

snowdrop

はじめに褒めましょう

問題。「近くに有るもの」の対義語である「遠くに有るもの」という意味の指示語であり、世界中に一人しかいない人はだれでしょうか?
















答えは、「あなた」です。

地球上に存在する人の数、およそ七十五億人。

その中で、あなたはたった一人です。

いうなれば、絶滅危惧個体と呼んでもおかしくない存在です。

そんなあなたが今日まで生き延びてきたこと、まずは自身で褒め称えましょう。

おめでとうございます。

あなたはよく生きてきました。

辛く苦しいことがゴロゴロしている世の中にあって、よくぞ頑張ってきましたね。

誰にもわかってもらえず、誰の助けも得られず、光さえ見えない鬱屈した闇の中をもがいて来たのでしょう。

いいことなんてほんの一握り。

ヒトカケラほどもなかったかもしれません。

それすらも遠い落日。

手の内で温めたら消えてしまう雪の如く、過ぎた思い出です。

たとえ、いいことなんて一つもなかったとしても、今日まで生きてきたあなたは素晴らしい。

なぜ素晴らしいのか。

生きるものは皆、花や木、鳥や獣に至るまで、呪いに掛けられているからです。

俯いたのなら、見上げねならない。

立ったのなら、行かねばばらない。

為すべき事を、為さねばならない。

宿痾ともいうべき呪縛です。

そう思ってきただけで本来、人生には生きる意味も理由もありません。

ないにも関わらず、求めて欲するのは、人が持つ罪悪感のせいです。

さぞや苦しかったことでしょう。

その頑張りに対し、あなたはあなた自身を褒めてあげてください。

がんばったね、と。

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