第2話 由黄ちゃんと合流

 当日、婚活パーティーなので普段はかないスカートを履いた。お化粧も普段は眉しか描かないが、朱理しゅり先輩がうちまで来て手伝ってくれた。

 せっかくお化粧をしてもらったけど、覆面ふくめんをかぶるんじゃ台無しだと思った。でも目の周りと口の周りは覆面していても見えるからとアイメイクを入念にしてくれた。


あいちゃん、普段もメイクすればいいのに。化粧映えする顔立ちなんだからモテるわよ」


「こないだ、職場にマスカラして行ったら男性社員達に珍しがられて恥ずかしかったんです」


「みんな見に来てたわよね」


「それに職場でお化粧しても男性陣は全員既婚者じゃないですか」


「そうなのよね。あれだけ男がいるのに全員結婚してるってどういうことよね」


「ええ、社内恋愛できません」


「藍ちゃんはメイクしない分、お肌すごくきれいよね」


「はい。ほぼ何もしないので」


「でも紫外線対策はしたほうがいいわよ。将来シミができちゃうわ」


「日焼け止めクリームって肌に悪そうじゃないですか?」


「それは分からないけど、肌に何か塗るのが嫌なら、帽子かぶったり日傘さすとかした方がいいわよ。シミって急に増えるから!」


「はあ。めんどくさいですね」


「めんどくさいとか言ってると婚期が逃げてくわよ!」


「あ、すみません」




 由黄ゆきちゃんとは会場で待ち合わせ。由黄ちゃんは26歳。私の1つ下。

 無事に3人とも、婚活パーティーが始まる30分前に着いた。


「お待たせしましたぁ。藍さん、スカートいてますねぇ。メイクも可愛い。似合いますよぉ。朱理先輩もいつにも増してきれいですぅ」


 由黄ちゃんは、おっとりぽっちゃりしていて、とっても大きいバストをお持ちだ。覆面ふくめんをかぶるぶん、このバディーに視線は釘付くぎづけだろう。

 巨乳ちゃんである。女の私もつい見てしまう。うらやましい。それに比べて私の胸は……悲しい……。


 私の外見は普通だ。以前、悩んでいたら当時つきあっていた彼氏に「大丈夫、普通だから。」と言われた。

 彼女に対してひどくない? お世辞でもいいからそこは「可愛い」って言っとくべきでしょ。

 顔もスタイルも普通。胸は小さいけど。肌と髪はきれいだってよく褒められる。普段お化粧しないし、髪も何年も染めてないしね。

 あれ、この肌と髪は覆面婚活でも有利かな? 覆面被ってても髪の毛は、はみ出すよね。私の髪長いし、今日は朱理先輩がゆるーく巻き巻きしてセットしてくれたし。


「いい、二人共。覆面婚活パーティーはね、顔が隠れている分、それ以外が重視されるのよ! 気をぬかないようにね!」


「「はいっ」」


 顔以外で判断ってことは、やっぱり体つき重視だよね。由黄ちゃんのおっぱい絶対有利だと思うなあ。


 朱理先輩はスタイル良くて美人で社交的だけど、ガツガツしてるから婚活に来るような、おとなしい感じの男性は萎縮しちゃうんじゃないかな。私の勝手な想像だけど。


「さあ、受付で覆面選ぶわよ!」


「「はいっ」」

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