矛盾接着剤*



この間だれかとだれかをつなげたら喜ばれた。

だからまた喜ばせようと思って

だれかとだれかをつなげたら

今度はゴミ箱に捨てられた。


どうしてなんだ?

悪いことなんて何もしていないのに。

くっつけることが仕事なのに

なぜ捨てられるんだ?


そんなにつながりたくないなら

お望み通り切ってやる。

ただの接着剤じゃないんだ。

くっつけることも離すことも自由自在。

そうさ、だってオレは矛盾接着剤。




最近だれかとだれかを離してばっかり。

本来の仕事なんて知らない。

くっつけても離してもどうせ嫌われるのさ。


善意なんて

言い訳にしか聞こえないらしい。

いつだって自分本位な

都合のいい耳なんだね。


みんな忘れてんじゃないか?

なんだかんだ言ったって

最終的にどうするかってのは

このオレにかかってるんだってことを。

そうさ、今に思い知らせてやる。




泣き叫ばれたって知るもんか。

つながりが1つも無くなるなんて

考えたこともないんだろ?


今のこの世界が

つながりばかりで出来ているってことは

前提条件みたいなものなんだろ?


もっともっと足掻け。

もっともっとしがみつけ。




つながりってもんがどれほど重要なのか

改めて知ればいいさ。

最終的にはだれだって

このオレを求めてくるだろう。

そうさ、だってオレは矛盾接着剤。


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