スタイリッシュ農業

黒銘菓(クロメイカ/kuromeika)

序章 アルバイトをしよう

序章:農業という仕事

 「はぁ、はぁ、はぁ……………」


 息を切らして鍬を構える。


 今回は凶作………否、豊作だ。


 生きのいい作物がこんなに実って、嬉しい事この上ない。


 しかし、それ以上に農家にとっては大変な事でもあった。






 『ブォアォア』


 口から撒き散らされるのは種。


 平べったいヒマワリの種のようなそれは地面に当たり、弾丸が爆ぜたかのように土を撒き散らす。


 躱さなければ蜂の巣になっていただろう。




 「気を付けろ!こいつ種攻撃が通常の個体より強いぞぉ!」


 鎌を加工した爪『鎌爪カマヅメ』を装備した農家さんが叫ぶ。


 「解ってる。」


 鍬を持つ手が震える。






 令和X年。


 農家に就職した俺こと「クロメイカ」は死の危機に瀕していた。






 今は収穫の真っ最中。


 農業で一番危険な作業だ。


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