面倒事に首を突っ込むスタイル
「先程は有り難う御座いました。」
追手の居ない事を確認すると俺達は木々の間で休憩していた。
正直、俺も疲れた。
よく考えたら俺、異世界転移なんてフィクションみたいなことになってるんだよな。
しかも、いきなり命懸けでならず者から女の子守って。
で、今まさに逃避行してると………。
ハッ。チート持ちなら俺、確実にテンプレの「なろう系」だな。
ゲーム序盤は強力だけど中~終盤でお役御免されるような機能の付いたガラケー一台じゃぁ立派な「なろう系」とは言えないがな。
「従者さんの方……ボンゴさん?アンタも大丈夫か?」
もし頭を打った奴なら背負って走ったのは不味かったな。
まぁ、あそこに放置よりはこの場合。マシだったと言うべきか。
「……えぇ、なんとか……お嬢様だけでなく、私まで助けて頂き有り難う御座いました。」
そう言って頭を下げる。
「良いって。俺のやりたいことをしただけだ。」
くすぐったい。
「私からも御礼申し上げます。有り難う御座いました。」
改めてお嬢様の方からもお礼をされてしまった。
「良いって良いって。
……そう言えば、あんた達は誰だ?そもそも何で襲われていた?」
ならず者相手に襲われる理由。盗みだろう。が、あの馬車にそんなモノありそうには見えない。というか、お嬢様攫う人攫いっぽかったな。アイツら。
じゃぁこのお嬢様が目的か。
奴隷として売り飛ばすには明らかに過剰な人員投入。
………なんかの人質かな?
面倒事感デカいな。
ま、いっか。面白そうだし。
「…………実は………」
お嬢様は話始めた。
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