アプリが無いのでメールで転移した。

「何だ?どこだ……ここ?」


気付くとガラケーの液晶の周りの景色が変わっていた。


確か、俺は最寄り駅の地面の灰色を背景にメールを開いた筈だった。


それが、いきなり画面が光り、目が眩んだ次の瞬間、草木の香りと緑がガラケーの液晶を彩った。 「ぬぁ、ぬぅあんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


年号を丸一個飛ばした昭和リアクションをかましてしまった。


まぁ、俺でなくてもそうはなるだろ。


だって目の前には駅が無くなり、代わりに草原と空。そしてその空には…。


「Dragooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooon!!」




が!居た!!


これ、異世界転移ってヤツだ!!






ブーンブーンブーンブーン








手に持っていたガラケーが震えた。


妙だった。


アンテナは立っていない。というか圏外だ。


しかし、メールの新着情報が液晶には表示されている。


……えぇい、ままよ!!




カチッ




メールを開けると異世界転移はしなかった。

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