主人公からの藍原家紹介

 どうも、サダメです。

 藍原家の日常体験いかがでしたか?

 オレは恥ずかしいしかないんですけど。

 本編を読んでいただけたならばほぼご存じだとは思いますが、最後に藍原家の紹介なんてのをやってみます。


 オレの両親は父親が日本人、母親がドイツ人。

 父親は船乗り。

 魚じゃなくて、運搬の方ね。

 遠方へタンカーで何か運んでいます。

 よく知らない。

 ほぼ家には帰ってこないんで。


 母親は現地の観光ガイド。

 現地といっても日本に住んでいるのにドイツのガイドです。

 なのでミッションに区切りが付けば帰宅するけど、ほぼドイツにいます。


 ということは、オレはダブルってことです。

 だから日本に住んでいる以上、結構目立つ容姿になっています。


 そんなオレは藍原家長男。

 アンバー色の髪に茶眼、肌は白。

 背は百七十七センチで現在も上昇中。


 オレには妹と弟がいます。


 妹は双子です。

 長女は名前が藍原フランツィスカ。

 ダークブロンドの髪で翆眼、肌は白。

 身長は百五十七センチ。

 スタイルは――もうね、モデルやっているでしょ?

 というシルエットです。

 胸は……これからのようです。

 オレのことを「兄ちゃん」が基本で、極たまに「シャッツ」。

 声にハリがあり、よく通る。

 やたら元気でポジティブです。

 ちなみに普段、身内は「フランツィスカ」を「ツィスカ」と略して呼んでいます。


 次女は藍原カルラ。

 同じくダークブロンドの髪でこちらは碧眼、肌はほんのり浅黒い。

 身長はツィスカと同じく百五十七センチ。

 スタイルもそのまま同じです。

 オレを呼ぶ時もほぼ同じ。

 ツィスカより少し大人しい振る舞いだけど、家族の中では一番負けず嫌い。

 やはりポジティブ思考で、世話好き。

 といっても主にオレに対してね。

 ツィスカは勢いで動くところがあります。

 対してカルラはワンテンポ考えてから動く冷静なところがある。

 負けず嫌いだから作戦が必要なのでしょう。

 よって、オレに関することで察知するのが早いのはカルラの方。

 一足遅れてツィスカが気づくってパターンが多いかな。

 カルラが気づくのが早いだけで、ツィスカが鈍いわけではない。

 負けず嫌いが極まれているだけ。

 二人共中学二年生。


 そして末っ子で次男の藍原タケル。

 赤茶髪で赤眼、肌は白で、身長は百五十六センチ。

 妹の服を着ると妹になれるどころか、その妹より色気増し増しに。

 動きも非常にフェミニンでございます。

 オレを呼ぶ時は兄ちゃん。

 声はまだ少々高めだけど、しゃべり方も含めて極一般的です。

 こいつのフェミニンな部分で、どれだけオレが……あ~っと、何でもないです。


 こんな三人なので、男女関係なく人気がある。


 また、三人とも女子力が高い! 

 家事全般なんぞは朝飯前。

 オレは……どうもその辺は父親の遺伝子が勝っているらしく、だらしない。


 こんな家族構成。

 濃いですね。

 近所でも有名です。

 近所で有名なら、学校でも当然有名です。


 妹と弟は、毎日のように告白されている模様。

 それも男女問わず。

 全て門前払いをしているようですが。

 オレっすか? 

 オレのことは本編を読んでもらえたなら分かっていらっしゃいますよね。

 モテなかったなぁ。


 ……あの二人が現れるまでは。


 モテなかった理由。


 オレがシスコン&ブラコンなことがバレているから。

 ははは。

 話かけてくる時は、オレの事ではなく弟妹のことについてばかり聞いてくる。

 真剣な目で根掘り葉掘り弟妹のプライベートについて語らせようとする。

 もしくは仲を取り持つように懇願してきたりする。

 兄のオレはシス&ブラコンにより白い目で見られている。

 それにもかかわらず弟妹は人気があるのです。


 納得いかない。


 それでも兄が弟妹を守らないといけない。

 あんな綺麗な双子の妹。

 美形というより美人と言ったほうがしっくりくるような弟。

 兄が守らなくては……。


 そして、オレについては誰もそんなこと聞いて来ない。

 告白なんて一度もない。

 寂し過ぎて心が寒いったらありゃしない。

 おまけに親のやるべきことを一手に引き受けている状態。


 そう、あの二人が来るまでは……。


 そんなオレですけど、学校から帰れば妹と弟から愛の剛速球が投げつけられる。

 それも半端ないやつが。

 危険球と言ってもいい。

 うれしいけれど疲れる、でもやめられない。

 いつまでもこんな日常が続いて欲しいと思っている。


 もし続くのなら、その先でオレは廃人になるんだ。

 きっと、ね。


 え?

 代わってみたいんですか?

 

 ――――譲れないや。

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