第三十五章 あなたの作る世界なら

前章のあらすじ

シュヴァルツの前に転がる、首を失った至垂の死体。身体を乗っ取り、より強靭になるために運んできたものだ。

「巨大な蜘蛛と屈強な魔法使い」の身体と融合を果たそうと試みるが、体内に残存する至垂の魂が目覚め、肉体の支配権を巡ってシュヴァルツと至垂の意識は激しく争う。


決着つかず、二人の魂は利害関係の一致する部分に置いて共闘することに落ち着いた。


融合した「至垂シュヴァルツ」とでもいうべき肉体の前に、カズミとはるが現れる。

疲労で倒れたアサキをヴァイスに任せ、追ってきたものだ。

だが融合した「至垂シュヴァルツ」の前にはまったく歯が立たず、カズミは重症を負ってしまう。


絶体絶命のピンチの中、治奈の中に眠る「アサキのパワー」が発動。「至垂シュヴァルツ」と互角の勝負をするが、自身のあまりのパワーに耐え切れずに治奈の身体はどんどん壊れていく。


治奈は、「至垂シュヴァルツ」と刺し違えて大爆発。

仮想世界の中を飛ぶ、治奈の魂。

ふみたち家族が無事でいることを確認して安心すると、そのまま塵となって消滅した。


だが、治奈が自分の生命を犠牲にして刺し違えたはずの「至垂シュヴァルツ」は、死んではおらず、遅れて追いかけ現れたアサキと戦いになる。


アサキの疲労はまったく回復しておらず、追い込まれる。だが治奈が滅んだことで戻ってきた自身のパワーが身体に宿り、圧倒的な力の差で「至垂シュヴァルツ」を葬る。


治奈が自分に託そうとした思いを感じ、アサキは大泣きするのだった。

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