第15話 ・・・いなければ
いつもアイツがいる
何をやってもかなわない
目障りな存在
アイツさえいなければ
あの場所は俺のもの
アイツさえいなければ
俺が一番だ
アイツさえいなければ
アイツさえいなければ
いっそアイツが死んでしまえば
・
・・
・・・
・・・・
交通事故にあった
アイツがだ
死ぬことはなかったが
しばらくは病院の中だ
それを喜んでいる俺がいる
これで俺の望んだ場所が手に入った
アイツがいない世界
もう俺の邪魔をする奴はいない
はずだった
なのに・・・
何故なんだ
確かにアイツがいた場所は俺のものになった
しかしアイツがいた場所で俺ができることはなかった
アイツがいた場所
その先にはさらに多くのヤツラがいた
その中で俺は知った
俺はアイツがいたからそこに行けなかったのではない
アイツはヤツラよりも何倍も強かった
そんなヤツラにさえ俺は
アイツは
誰よりも何倍も努力していた
そんな
もちろん俺にも見せないで
俺が欲しかったのは場所じゃない
強い自分だ
そのために自分は何をした?
そう
足りないのは場所じゃなかった
邪魔なのはアイツじゃなかった
俺に足りなかったのは努力
邪魔だったのはそんな努力ができず
アイツを
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