第11話 山頂の世界

いつも見上げていた


あの上山には何があるのだろうか


きっと


とても素敵な世界があるに違いない




行ってみよう




足場が悪いけど


傾斜がきついけど


木々に囲まれ視界も悪いけど


雨が降ればとても寒いけど


山のうえにはきっと


そこまでたどり着ければ


自分の知らない


自分を変えられる何かがある


美しい世界が広がっているはず






しかし



山の上の世界は


荒涼こうりょうとした


茫漠ぼうばくとした


草木もない


思っていたものとはまるで違う世界




でも


そこから見たふもとの景色は


今までに見たこともない


美しい景色が広がっていた




自分がいた世界



そこに居ては気が付かない



離れてみて


山の上まで来て


外から見て


見下みおろして


初めて気づく


美しい世界



世界は変わらない


常にそこにあり続ける



変わったのは自分の心



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る