凡例(他の季節の和歌集とほぼ同一)

 「凡例」は、はんれい、と呼ばれます。

 さて、この和歌集は、自詠の中でとくに春の季節の感じやすい歌によって、編集されます。

 その編集の際、同歌探しに汲々きゅうきゅうとするなどという姿勢は、見受けられません。

 誰かの詠歌とまったく同じだったらどうしよう――。

 和歌は、三十みそひと文字でできています。俳句とまではいきませんが、それでも、誰かと同じ、または類似、の歌になってしまうのは、はじめから知れたことです。いちいち同歌探しをしていては、日が暮れて……、否――、、終わってしまいます。

 ゆえに、この和歌集は、わりと気楽に、時に無邪気に編集されます。

 とは言え、『古典解説 評論』日栄社、『日本の古典10 古今和歌集 新古今和歌集』河出書房新社の「近代秀歌」と「国歌八論」、『日本詩人全集2 正岡まさおか子規しき高浜たかはまきょ』新潮社の「歌よみに与ふる書」などが、年に数回、気の向くままに目を通されることになります。


## 全体にわたる表記

・ルビは、常用でない漢字、表と付表に示されていない読みの漢字、著者の判断による漢字、に振られます。

・{}は、ルビが振られないときの、代替用、振りがな記号です。この波カッコ{}は、カッコのうち、もっとも漫画のフキダシの形に似ていると思われます。それで、振りがな記号として扱われるようになりました。

・## は、見出し記号です。三つ以上の # も同様に見出し記号です。

・()は、文中に差し挟まれるちゅうです。

・“ ” は、引用です。

・歌の各句の名称は、「しょ・第二句・第三句・第四句・けっ」と記されます。


## 本文

・本文は、

~~~

ことばがき

現代語の読み

[通釈]

ちゅう

推敲すいこう

(詠んだ日付)(管理記号)

~~~

この順で載せられます。

・(( )) は、[通釈]における文脈上の補足の訳出です。

・[推敲]は、散文の練習も兼ねて書かれます。


## 参考図書

・近況ノートの「制作環境」のページをご覧ください。



## ここまでが、

 凡例はんれいです。ずいぶんとまあ、凹型の文体で書き記したものです。

 例えば、「編集します」とせずに「されます」、「姿勢はとりません」とせずに「見受けられません」、「目を通します」とせずに「通されることになります」、などです。

 まったくもって、主体性なき文体とは、こういうものをいう!

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